ソニーがAndroidスマートフォン(スマホ)の新モデル「Xperia 1 II(エクスペリア ワン マークツー)」を発表しました。
特徴や他機種との違いについて調べました。
見た目・大きさ・重さ
本体サイズは166×72×7.9mm。重さは181g。
一般的なスマホよりも縦に長いのが特徴です。横幅はスリムで、厚みもないので、片手でしっかりホールドできそうです。
重さは、同程度の大きさのスマホのなかでは平均的と言えます。
前面・背面はガラス、フレーム部はメタルが使われていて、高級感があります。カラーは、ブラック、ホワイト、パープルの3色。
発売日
今春以降、日本を含む国・地域で発売されます。
日本での具体的な発売日はまだ発表されていませんが、本機は5Gに対応しており、国内の携帯電話会社(キャリア)が3月に開始する5Gサービスにあわせて発売されるものと思われます。
どこから発売される?
どのキャリアを通じて発売されるかはまだ発表されていません。
前作Xperia 1は、ドコモ、au、ソフトバンクから発売されているので、今作もこの3社から発売となる可能性が高いです。
楽天モバイルからも発売される可能性は高いですが、上記3社と比べて発売時期はほんの少し遅くなるかもしれません。
3分で知る!Xperia 1 IIの特徴
- どこまでもこだわれるカメラ機能
- 圧倒的臨場感を味わえる映画視聴向きディスプレイ
- 専用機さながらのハイクオリティーサウンド
- 5G対応で超高速通信
ソニーのデジタル一眼カメラ「α」の機能を惜しみなく投入した、プロ志向の強いカメラが特徴です。
人や動物の瞳を追いかけてフォーカスを合わせ続ける「瞳AF」や、スマホ初の20コマ/秒の超高速連写といったα譲りの機能が使え、特に被写体が素早く動くシーンでは、唯一無二の能力を発揮します。
動画撮影では、アスペクト比21:9、4K HDRの本格的なシネマ撮影体験ができる専用アプリが用意されています。
搭載しているディスプレイは、アスペクト比21:9という、映画視聴に最適化されたものとなっています。映画館のスクリーンが目の前にあるかのような、圧倒的なスケール感を感じながら映画が楽しめます。ワイドなディスプレイは、一部のゲームにもメリットがあります。
ソニー・ミュージックとの協業によるオーディオチューニングや、Spotiryなどの音楽ストリーミングを含めたあらゆる音源をハイレゾ相当の音質に変える機能、こだわりのワイヤードイヤホン・ヘッドホンが使えるアナログイヤホンジャックの装備などにより、オーディオプレイヤーに引けをとらない音楽視聴が可能です。国内ではこれから始まるソニーの立体音響「360 Reality Audio(サンロクマル リアリティ オーディオ)」が楽しめるのも好奇心を刺激します。
通信においては、国内キャリアが3月から開始する第5世代移動通信システム(5G)を用いた通信サービスに対応します。エリアなどの条件が整えばこれまでよりも高速に通信でき、音楽などを素早くダウンロードしたり、撮影した写真や動画をSNSに投稿したりできます。
こだわりの機能を深く知る
他機種との違いを見ていきます。
長辺が長い4K HDR対応ディスプレイ
Xperia 1 IIのディスプレイはアスペクト比(長辺と短辺の比率)が21:9で、長辺が一般的なスマホのディスプレイよりも少し長くなっています。21:9はシネスコサイズと呼ばれ、映画館のスクリーンの比率と同じです。視界に収まりきらないほどワイドな映像はとても大きな迫力を生みます。
しかもスマホでは稀な4Kの超高解像度ディスプレイ(HDR対応OLED)なので、対応コンテンツは特に精細で鮮やかに表示します。
さらに、映像制作の基準器として使われている1台数百万円もするソニーのマスターモニターを手掛ける部門が監修した色設定「クリエイターモード」を搭載しており、作品本来の色合いや階調で映画を観ることができます。
ノッチ(切り欠き)やパンチホールといった邪魔者がいないところも最近のハイエンドでは珍しく、作品を文字通り100%楽しめます。
ゲームでも恩恵があります。一部のゲームは21:9比率に対応しており、フィールドを広く表示でき迫力が出るだけでなく、情報量が多くなるので有利にプレイできます。
縦長ディスプレイは普段遣いにも便利です。一度にたくさんの情報を表示できるので、TwitterやFacebookなど縦に展開されるコンテンツは閲覧がしやすく、スクロールする回数も減ります。2つのアプリを並べて表示する「マルチタスク」もはかどります。
クリエイターの高い要求に応えられるカメラ機能
世界有数のレンズメーカーであるZEISS(ツァイス)とスマホの分野でも協業することになり、高級カメラに使用されるT*コーティングを施したレンズがXperia 1 IIのトリプルカメラに採用されました。これまでよりも明るく高コンストラストな写真や動画が撮影できます。
また、スマホのカメラでは採用例が極めて少ない1/1.7サイズの大型センサーを採用し、暗所でもこれまで以上に明るくノイズの少ない高精細な写真を撮ることができます。
人や動物の瞳を追いかけてフォーカスを合わせ続ける「瞳AF」も特徴です。AF/AE(オートフォーカス/自動露出制御)は、1秒間に60回も更新します。カメラボタンを半押しにすることで、激しく動き回る被写体でもフォーカスが合い続けます。それによって最高20コマ/秒の高速連写を可能にしています。この機能はスマホでは世界初ですし、デジタル一眼カメラでも一部の高級モデルにしか今のところ搭載されていません。
これらの機能が使える独自のカメラアプリ「Photography Pro」は、αの機能、操作系を継承しています。αを使っている方は、使い慣れた形で設定を調整できるのは魅力的に感じることでしょう。
トレンドになりつつある8K動画撮影には対応しませんが、映画撮影専用機能「Cinematography Pro」を搭載し、映画さながらの21:9アスペクト比、4K解像度、秒24コマでの動画撮影ができます。ISO、フォーカス、エフェクトなども細かく設定できます。
SMEとの協業による独自オーディオチューニング
ソニーモバイルはXperia 1 IIで初めてソニー・ミュージックと協業。クリエイターの制作意図を忠実に再現する独自のオーディオチューニングが施されています。その効果はスマホのスピーカーだけでなく、ヘッドホン・イヤホン再生の音にまで及びます。
サウンドでもう一つ特徴的なのが、立体音響「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」向けのハードウェアデコードを搭載していることです。360 Reality Audioは、アーティストと同じ空間にいるかのような、音に包まれる新しい音楽体験が可能とされています。
国内にはまだ360 Reality Audioの配信サービスがありませんが、もしかするとXperia 1 IIの発売にあわせて提供が始まるかもしれません。
前機種との目立った違い
5Gへの対応以外で、前作Xperia 1から進化したところをまとめました。
カメラ
標準、望遠、超広角のトリプルカメラを搭載するのはXperia 1と同じです。
Xperia 1 IIではZEISS社のTスターコーティングを施したレンズが採用され、よりクリアでヌケの良い写真が撮れるようになりました。カメラ中央には「ZEISS T*」のロゴが刻印されています。
レンズは焦点距離も変わりました。Xperia 1では広角側から16mm、26mm、52mmだったのが、Xperia 1 IIでは16mm、24mm、70mmとなり、焦点距離の長い望遠レンズを採用したことで光学ズームは2倍から約3倍になりました。一方、デジタルズームは各5倍から3倍に下げられています。
標準カメラと超広角カメラにはより大きなセンサーが載り、さらに明るく撮影できるようになりました。暗がりでの撮影性能も上がっています。
新しく3D iToFセンサーが追加されたことで、より高速で高精度のオートフォーカスが可能になりました。超広角カメラには、これまで標準カメラのみだったデュアルフォトダイオードが搭載され、フォーカス性能が上がりました。
このほか、発売後に予定されているソフトウェアアップデートでRAW撮影に対応します。サードパーティー製のアプリを別途インストールせずにRAW撮影ができるようになります。
マニュアル操作で本格的な撮影を可能にする新機能「Photography Pro」が追加されました。このアプリはαの機能と使い勝手が継承されています。
Photography Proでは、60回/秒のAF/AE演算を行うコンティニュアスAFが可能になり、これによりAF/AE追従最高20コマ/秒の高速連写が可能です。Xperia 1は最高10コマ/秒でした。
瞳AFは人物に加えて新たに動物の瞳にも対応しました。
シネマ撮影専用機能「Cinematography Pro」は新たに2K HDRでの120コマ/秒ハイフレームレート撮影が可能になりました。また、4K HDR撮影は従来の24コマ/秒、30コマ/秒に加えて、60コマ/秒、25コマ/秒での撮影が可能になりました。また、水準器やタッチAF、ホワイトバランスのカスタム設定、適正露出を表示して設定できるメータードマニュアルなどの機能が追加され、撮影時の表現力広がりました。
さらに、ソニー独自開発の音源分離技術で風雑音のみを除去する「インテリジェントウィンドフィルター」が新搭載され、録音のクオリティも上がりました。
サウンド
2018年に発売されたXperia XZ2以降、Xperiaのフラグシップモデルではイヤホンジャックを搭載していませんでしたが、Xperia 1 IIで突如復活しました。
「ユーザーからの要望が多かったから」という理由のほかには、やはり有線イヤホン・ヘッドホンを本体に直に挿した方が、ワイヤレスイヤホンを使ったり、変換プラグを使ったりするよりも、遅延や音切れ、左右の音の混ざりなどが少なく、より高品質なサウンドが聞けるということのようです。サウンドにこだわる場合に有用です。
スピーカーも改善されました。Xperia 1では物理的な制限によりステレオスピーカーの片側が側面に配置されていましたが、Xperia 1 IIでは両方がフロントに配置されました。これによって、左右均等で、より自然なステレオサウンドが聞けるようになりました。低音再生もパワフルになっています。
圧縮音源をハイレゾ相当の音質に向上させるDSEE EXは「DSEE Ultimate」にアップグレードし、性能自体の向上に加え、Spotiryなどの音楽ストリーミングサービスの音源にも適用されるようになりました。また、ワイヤレスイヤホン(要LDAC対応)にも対応しました。オーディオコーデックはLDACとaptX HDのほかに、aptX Adaptiveに対応しました。
ソニー独自の立体音響技術「360 Reality Audio」に新たに対応しました。360 Reality Audioの配信は日本ではまだ開始されていませんが、Xperia 1 IIの発売に合わせて配信が開始される可能性があります。海外ではAmazon Music HD、Deezer、nugs.net、TIDALの計4つのストリーミングサービスが360 Reality Audioの配信を開始しています。
ディスプレイ
Xperia 1と同じ4K HDR対応で3,840×1,644ドットの有機ELディスプレイを搭載します。
Xperia 1 IIでは新たに残像低減技術が搭載され、60Hz駆動でありながら90Hz駆動のディスプレイと同等のクリアな映像が表示できるようになりました。
他社の機種では120Hz駆動のディスプレイを搭載するものもありますが、Xperia 1 IIでは電池持ちを優先させ、このような技術を導入する形になったようです。4Kディスプレイで高速駆動させるとバッテリー消費が著しいということなのかもしれません。
また、標準光源または色温度をもとにホワイトバランスを選択できる設定が新たに追加されました。ディスプレイの色味を用途に応じて変更できます。
マルチウィンドウ
画面を2分割して2つのアプリを同時に使えるようにするマルチウィンドウ機能は、各ウィンドウを横にスワイプすることでアプリが切り替えられるようになりました。
ゲームエンハンサー
ゲームプレイに役立つ設定を管理する「ゲームエンハンサー」が強化されました。ボタンを無効化して誤操作を防いだり通知を一時的に表示しないようにしたりする設定を一発でオン/オフできる「コンペティションセット」が追加されました。
パフォーマンスモードを「パフォーマンス」設定にすると、タッチパネルの応答速度が向上するようになった点も見逃せません。アクション性の高いゲームでは特に有効です。
パフォーマンス
プロセッサが最新のSnapdragon 865になったことによりCPUとGPUのパフォーマンスがそれぞれ約25%高速化しました。
メモリーはRAMが6GBから8GBへ、ROMは64GB/128GBから128GB/256GB(発売する国や地域によって異なる)へ増えました。
バッテリー容量は3,300mAhから4,000mAhへと大幅に増えました。しかし、5Gをはじめさまざまな機能が追加されているので、実際の電池持ちが向上しているかどうかは未知数です。
Xperia 1で省かれたワイヤレス充電機能がXperia 1 IIで復活しました。
本体サイズ・デザイン
正面のデザインはXperia 1からほぼ違いがなく、上下に比較的狭めのベゼルがあります。
背面と側面はよりフラットなフォルムになりました。パープルは色味が渋くなりましたね。パープルの背面は鏡面仕上げのようになっているそうです。
背面カメラの配置が中央から左上に変わりました。構えたときにより自然な位置に来るように調整したとのことです。
指紋センサーは電源ボタンに内蔵される形になり、操作がシンプルになりました。カメラボタンは引き続き搭載されています。
縦横寸法は縦が1mm短くなっただけでほぼ変わらず。厚さは0.3mmも薄くなりました。逆に重さは3g増えています。
スペック
※黄色背景は他モデルに対してアドバンテージがあることを表しています。
※内容の正確性を保証するものではありません。誤りがあった場合、ご指摘いただければ即座に調べ直して修正します。
※2020年3月2日更新