ITmedia Mobileのスマートフォン・オブ・ザ・イヤーやEngadget Japaneseの2019ベストバイなどを参考に、このブログでも今年を振り返りながら2019年のスマートフォンについてあれこれ感想を述べてみたいと思います。
ITmedia スマホ・オブ・ザ・イヤー2019のノミネート作品と大賞
まずはITmediaのスマートフォン・オブ・ザ・イヤー2019のノミネート作品をチェックしてみましょう。石川温氏、石野純也氏といった有名ジャーナリスト達が候補を出し合い、ノミネートされた10機種です。大賞には「OPPO Reno A」が選ばれました。
ノミネート作品
- (大賞)OPPO Reno A
- Xperia 1
- Pixel 3a
- HUAWEI P30 Pro(HW-02L)
- iPhone 11
- Galaxy Note10+
- Galaxy Fold
- Xperia 5
- AQUOS sense3
- LG G8X ThinQ
Engadget 2019ベストバイに挙げられた機種
今のところ下記4機種が2019のベストバイとして紹介されています。
- Xperia 1
- iPhone 11 Pro
- Pixel 3a
- Galaxy S10
各機ひと言ずつコメント
これらの機種について僕なりに思ったこと、感じたことを書いてみました。
上手さを感じた2019年版iPhone
下位グレードであったiPhone XRの後継をiPhone 11としたことで、ユーザーに「iPhoneのスタンダードモデルが8万円台で買える」というポジティブなイメージを根付かせることに成功しました。昨年は「価格が高すぎる」と評価されてしまったiPhoneですが、それほど価格が下がったわけでもないのに今年は価格に対して否定的な意見を聞くことは少なかったように思います。
カメラに関しても、2つ目のカメラ(超広角カメラ)をメインカメラの補助に使ったところに上手さを感じました。撮った写真を画角を変えずに水平補正できたり、撮った後に画角を広げたりできる機能は、一見地味ではありますが、スマホカメラのレベルを確実に一段階引き上げました。
涙腺が緩んだ復活のXperia
ようやく僕らのXperiaが帰ってきました。シネマワイドディスプレイがXperiaを選ぶ理由を与えてくれました。迷走していたデザインも、らしくない背面指紋センサーも、見劣りする動作パフォーマンスも、全部改善されました。間違いなく歴代ナンバーワンの完成度です。2017、2018年の国内外のベストスマホにおいてノミネートすらされなかったXperiaシリーズですが、今年は審査員の多くがXperia 1/5を推薦しました。Xperiaファンとして、Xperiaの復活を本当に嬉しく思いました。
ミドルレンジのXperia Ace、Xperia 8も、若干の割高感は感じつつも、細部までXperiaらしさを感じられる内容になっていて良かったと思います。ただ、ミドルレンジには高コスパモデルがゴロゴロ存在しますので、出来れば同じ価格のまま、ひとつふたつ上のグレードのプロセッサを載せてほしかった。焼き増しのデザインを使うなどとにかく効率化を図ってコスパを最大化すべきだと思いました。コスパでも見劣りしないXperiaをみんなが欲しがっていると思います。
お化けコスパで仰天!Reno A
中国メーカーOPPOが投じる超ハイコストパフォーマンスなスマホ「Reno A」。異常なまでの高コスパに、ITmedia スマホ・オブ・ザ・イヤー2019の審査員ほぼ全員が、Reno Aをノミネート作品に推薦したほどです。結果、大賞にも輝きました。AKB48の元メンバーである指原莉乃さんをCMキャラクターに起用したことでも注目を集めましたね。
指紋センサー内蔵の有機ELディスプレイ、Snapdragon 710、6GBメモリー、128GBストレージ、microSDカード、防水防塵、おサイフケータイ、デュアルSIM(DSDV)対応など、他メーカーが作ったら確実に6万円は超えちゃうよねという内容のスマホを、4万円を切る価格で投入しました(12月27日現在Amazon.co.jpで消費税、送料込み37,768円で販売されている)。
日本では今年、電気事業法改正によってスマホ本体の値引きが制限されたことにより、価格が安いミドルクラスの製品に注目が集まりました。ファーウェイが米国に禁輸措置を取られ足踏みをしている隙きを狙って出してきた、最強コスパのReno Aは、まさに2019年を象徴する1台でした。
4Gスマホの完成形と5G時代の幕開け
Galaxy S10、Galaxy Note 10+は4Gスマホの集大成です。特にGalaxy Note 10+は、他の機種にできてこの機種ににできないことはないというくらい、スマホで出来ることすべてを網羅しました。当然価格も高いのですが、12GBメモリー+128GBストレージ+microSDカード対応という、長期間戦える構成になっていますし、すでにキャンペーンは終了しているものの、予約購入者にもれなく完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」をプレゼントするという気前の良さです。スマホをフルに堪能してくれ!という気持ちが伝わってきます。
スターウォーズコラボのGalaxy Note 10+も発売されました。スターウォーズエピソード9は、サブタイトルが「スカイウォーカーの夜明け」なんですよね。新時代への移り変わりをこのコラボで表現したかったのでしょうか。Galaxy Foldは今年発売された数少ないフォルダブルスマホ。山折り、谷折り、縦折り、三つ折りなど、スマホの新しいカタチを予感させます。
安心して他人にすすめられるAQUOS sense
「安いので良いんだけど、何か良いスマホある?」と聞かれたときに、老若男女、誰にでもこれほど安心して薦められる機種は他にあるでしょうか。「安心・安全」という部分はコストパフォーマンスのうちに含まれないことが多く、だけど実は気にする人も多い。海外メーカー製のスマホ。結構です。でも不安を感じる人もいる。そこでシャープのAQUOS sense。MNO、MVNO問わずどこでも買えますし、価格も手頃。OSのバージョンアップも明確に保証されていて、将来性という意味でも安心できます。本当にこのシリーズがあって良かったと思います。サムスンGalaxyがハイエンドの代表なら、AQUOS senseはミドルモデルの代表です。
AQUOS sense2を持っている僕としては、エンタメ性能が強化されているAQUOS sense3 Plusに、より大きな魅力を感じました。特にau版はパイオニア製のワイヤレスイヤホンが付属し、買ってそのまま音楽に映画にと楽しめるのが手軽で良さそうです。贅沢を言えば、無印モデルもPlusも、本体デザインがもう少し洗練されていたらなお良かったかな。
その他
ファーウェイは米中貿易戦争の標的にされてしまったことで不遇の年になってしまいました。P30 ProやP30 liteなど、スマホ自体の出来が素晴らしいのでとても残念です。P30 Proは50倍ズームで月をアップで写せるというのは衝撃的でした。
LG G8X ThinQは2画面スマホに変身するという以上に、Snapdragon 855を搭載するハイエンドモデルなのに5万円台中盤という価格に驚きました。他メーカーのハイエンドモデルの半分の値段と言っても言い過ぎではありません。お得すぎます。
Pixel 3aのコスパの良さも印象に残りました。強力な夜景モードを備えたPixel 3譲りのカメラや、ゴリゴリの3Dゲーム以外は難なくこなす動作パフォーマンス、安心のおサイフケータイ・防水防塵対応、Made by Googleの高速&長期間OSバージョンアップサポートなどを備え、Pixel 3の半額の値段で買えました。5月に発売された機種ですが、いまだにソフトバンクの売上ランキングではiPhone 11に次ぐセールスを維持しています。
2019年を振り返って
Xperia 1の登場はとても大きく印象に残りました。こうしてベストスマホの候補に選ばれたということは、ここ2~3年のXperiaの中でナンバーワンの出来であったことを証明しています。来年以降、ハイエンドの機能を出し惜しみなく下位モデルに継承させることでバリューを作り、相乗効果によりシリーズ全体を盛り上げることが出来ればいいですね。
僕の考えるスマホオブ・ザ・イヤー2019は「Galaxy Note 10+」です。2010年代最後、5Gの始まりというこの節目で、ひとつのスマートフォンの完成形を見せてもらったような気がします。
OPPO Reno Aも2019年という年を色濃く反映していました。ミドルレンジの製品は魅力が一気に上がりましたね。ミドルレンジでも必要な機能は全部揃うようになりましたから、必要以上に高い性能、高い価格のハイエンドモデルを買う意味が薄れました。
一方で、Galaxy FoldやLG G8X ThinQといったユニークな機種の登場は、スマホの新しい時代を予感させてくれました。ファーウェイのMate X、モトローラのRAZRほか、2020年にはもっと多くの面白いスマホが日本でも発売されることになります。5Gと絡めてどのような体験が可能になるのか非常に興味深いです。
2020年はスマホ市場が一層盛り上がりそうです!