Googleが今年のGoogle I/Oで発表したAndroid Pについての新情報をまとめてみました。
ベータ版リリース&対象機種拡大
今年の第3四半期に正式版のリリースが予定されているAndroid P。そのベータ版(Developer Preview 2)の配信が5月8日より開始されています。
アルファ版(Preview 1)は日本では未発売のPixel端末のみが対象でしたが、ベータ版からは対象機種が拡大し、ソニーのXperia XZ2など主要パートナーメーカーの一部端末でもインストールして試すことができるようになりました。
対象機種
- Google Pixel
- Google Pixel XL
- Google Pixel 2
- Google Pixel 2 XL
- Essential Phone
- Nokia 7 plus
- Oppo R15 Pro
- Sony Xperia XZ2
- Vivo X21UD
- Vivo X21
- Xiaomi Mi Mix 2S
国内販売の有無や技術基準適合証明の関係で、日本から比較的容易に入手でき、しかもテスト端末として安心して使える端末となると「Essential Phone」が現時点で理想的なのかなと思います。残念ながら私は持ち合わせていませんが、これを使ったAndroid Pベータ版のレビュー記事がいくつか投稿されています。
Xperia XZ2は日本のキャリアから5月下旬に発売されることが決定しているので入手性は高いです。ただし値段が9万円以上と高価なところがネックです(実際にXperia XZ2の国内モデルにAndroid Pのベータ版をインストールできるかどうか、正確なところは分かりません)。
システムナビゲーションを刷新
Android Pではシステムナビゲーションが刷新されます。従来よりも縦長のディスプレイを搭載する機種が増えてきたことを受け、片手でも楽に操作できるように改良が加えられました。
これまでのAndroidには基本的に「ホーム」「戻る」「アプリ履歴」の3つが用意されていましたが、Android Pでは「ホーム」と「戻る」の2つになり、しかも「戻る」は必要なときだけ表示されるようになりました。つまり標準状態ではホームボタン1つが表示される形です。「アプリ履歴」のボタンはなくなりました。
アプリ履歴を表示するにはホームボタンを小さく上にスワイプします。すると「オーバービュー」と呼ばれるモードになり、使用中のアプリが横並びで表示されます。表示したいアプリをタップすればそのアプリに移動できます。
ホームボタンを右にスワイプすることでもオーバービューを表示できます。この場合はスワイプと連動してアプリがスクロールします。指を離したところのアプリが最終的に最前面で表示されるという具合です。
オーバービューの状態でテキストを選択できるようになっています。スマートテキスト選択も有効で、ダイレクトに次のアクションに移行できます。
物理的なナビゲーションキーを搭載している端末についてはどうなるのでしょうか。Android Pのシステムに合わせた、これまでとは違った操作性の端末も今後登場するかもしれません。
使いすぎを防ぐ新機能
YouTubeやSNS、ゲームなど、スマートフォンには楽しめるコンテンツが豊富にあり、大人でもついつい時間をオーバーして使い続けてしまいます。Android Pではスマートフォンの使いすぎを防ぐ「Ditigal wellbeing」という概念が追加。以下の4つの機能が紹介されました。
ダッシュボード
アプリの使用時間、ロックを解除した回数、通知の数など、自分のスマートフォンの使い方をチェックできます。
App Timer
アプリの時間制限を設定しておくと、時間が来る前に警告が表示されます。また、時間を過ぎるとアプリアイコンをグレーアウトしてユーザーに気づきを与えます。
Do Not Disturb
重要人物に設定した人から以外の通話や通知を切ります。プッシュ通知を表示しないようにすることもできます。
Wind Down
周囲が暗くなるとナイトモードになります。寝る時間を設定しておくとDo Not Disturbモードに自動的に移行します。
AIを駆使したインテリジェンス機能
Android PではAI技術を用いて各ユーザーのスマートフォン使用状況などを学習し、気配りのきいたサービスを提供します。以下の機能が紹介されました。
Adaptive Battery
Googleが2014年に買収した人工知能企業DeepMindと共同開発したバッテリー制御技術です。よく使うアプリやサービスに優先して電力を供給し、逆にあまり使わないアプリへの電力供給を抑え、電池持ちを良くします。
Adaptive Brightness
画面の明るさを自動調整する機能の進化版です。ユーザーによる明るさのスライダーの動かし具合とその時の周囲の状況を記憶することで、輝度の自動調整に反映させます。
App Action
次に必要と思われる行動を提案する機能です。たとえばイヤホンジャックにイヤホンを挿すと、よく電話する相手へのショートカットや、よく聞くプレイリストへのショートカットが画面に表示されるという具合です。
Googleアシスタント、Google検索、Google Playスト、スマートテキスト選択などの画面で表示されます。
Slices
Google検索をすると、インストール済みのアプリのタイトルだけでなく、そのアプリの主要機能まで表示してくれる機能です。機能にダイレクトにアクセスできるので、アプリを開いてからの行動を短縮できます。アプリ自体がSlicesに対応している必要があります。
その他の追加機能や改善
スクリーンショットを撮ったら通知からすぐに編集できるようにする機能や、音量調整の簡略化、新しい画面回転システムの追加、Androidエンタープライズ向けの新機能などが加えられています。
この他の機能は前回発表されたとおりです。