Android デバイス&OS

Xperia XZ2 / XZ2 Compact発表。デザイン大幅刷新。縦長ディスプレイやワイヤレス充電を初採用。

ソニーがスペイン・バルセロナで現地時間の2月26日にAndroidスマートフォンの新モデル「Xperia XZ2」および「Xperia XZ2 Compact」を発表しています。

前モデルであるXperia XZ1シリーズとの比較を中心に特徴をまとめました。

発売時期と価格

今春以降、世界各地で発売されます。価格は不明です。

具体的な発売国は発表されていませんが日本ではまず間違いなく発売されるでしょう。大手3社から2018年夏モデルとして5月頃に発売されることが予想されます。

大きさが違う2つのモデル

標準モデルのXperia XZ2とコンパクトモデルのXperia XZ2 Compactの2種類が発表されました。

例年通りならドコモからは両方が、auとソフトバンクからはXZ2のみが発売されることになります。

XZ2シリーズの進化点

本体デザインが大きく変わった

思えば2013年に発売された「Xperia Z」から基本的なスタイルはほとんど変わっていなかったXperiaの外観ですが、XZ2シリーズで一変しました。

真っ平らだった背面は大きく膨らみのある形状になり、フレーム部にも丸みが持たされたことで全体的にふっくらとした柔らかい印象になりました。フィット感はかなり向上したはずです。

背面の素材はアルミからガラスになりました。前面・背面ともに3Dガラスを使うことで丸みを出しています。曲面ガラスは触った感触が滑らかで気持ちが良いんですよね。

カラーバリエーションはリキッドブラック、リキッドシルバー、ディープグリーン、アッシュピンクの4色です。どれも平面画像ではぱっとしない色に見えますが、光や角度によって色味が変化する加工がされていて、レビュー動画などを見ると本当のところがわかります。まるで高級車のように艶やかで上品です。

部品の配置も変わりました。左上にあったカメラは左右対称の配置になり、横画面での撮影時に指がカメラにかかりにくくなりました。

指紋センサーの移動も大きな変化です。これまでは側面の電源ボタンに組み込まれていましたがXZ2シリーズでは背面に独立した形で備わりました。使用時は一度本体を持ち上げる必要がありアクセスのしやすさは下がりました。しかしセンサーの面積が広がったことで読み取り精度は上がったのではないかと思います。

なおXperia XZ2 Compactの背面は樹脂製となります。カラーバリエーションは、ブラック、ホワイトシルバー、モスグリーン、コーラルピンクの4色です。

厚さと重さが劇的に増えた

機種名 横幅 高さ 厚さ 重量
Xperia XZ2 72mm 153mm 11.1mm 198g
Xpeia XZ1 73mm 148mm 7.4mm 156g
機種名 横幅 高さ 厚さ 重量
Xperia XZ2 Compact 135mm 65mm 12.1mm 168g
Xperia XZ1 Compact 129mm 65mm 9.3mm 143g

XZ2、XZ2 Compactともに厚さと重さが大きく増えました。これだけ変わると持ったときの印象はまるで違うと思います。

スマートフォンをポケットに入れて持ち運ぶ人にとっては厳しい変化と言えますが、まあiPhone 8 Plusは202gであることを考えればユーザーに受け入れられないということもないでしょう。

流行りの縦長ディスプレイを搭載

前面の印象も少し変わりました。縦横比18:9の流行りの縦長ディスプレイをXperiaでは初めて採用し、上側のベゼルが狭くなったことで画面占有率が上がって、より先進的な見た目になりました。

ディスプレイの大きさはXZ2が5.7インチでXZ2 Compactが5.0インチです。インチ数で見るとかなり大型化した印象ですが実際には縦に長くなっただけで幅は変わりません。本体サイズにもあまり影響を与えていません。

解像度は2機種とも2,160×1,080ピクセル(フルHD+)です。XZ2 Compactは解像度が上がったので画素密度も上がり、より精細になりました。

そして2機種ともHDRに対応。さらに、X-Reality for mobileが進化して「HDRアップコンバート」という機能に新たに対応したことで、多くの動画をHDR相当の高コントラスト、鮮やかさで表示することができるようになりました。

最新・最上位のプロセッサを搭載

2機種ともQualcommの最新・最上位プロセッサであるSnapdragon 845を搭載します。XZ1シリーズが搭載していたSnapdragon 835よりも性能が30%向上したとされています。

メモリーはメインメモリーが4GBで内蔵ストレージが64GB。XZ2は前モデルと同じですがXZ2 Compactはストレージが倍増した格好です。そして2機種とも400GBまでのmicroSDXCカードにも対応しました(これまでは256GBまでだった)。

XZ2はLTE Cat.18に対応し、下りの通信速度が1.2Gbpsまで向上しました。XZ2 CompactはLTE Cate15 800Mbpsまでに対応しています。

OSはAndroid Oreoを搭載します。

イヤホンジャックが無くなった

外部接続の機能として、Bluetooth5.0、IEEE802.11 a/b/g/n/ac Wi-Fi、A-GNSS(GPS+GLONASS)、NFC、USB3.1(Gen1)に対応しています。USB端子はもちろんUSB type-Cです。

驚くことにイヤホンジャックが撤廃されました。iPhoneに追随した形です。

そのままでは3.5mmオーディオ端子を持つイヤホンやヘッドホンが接続できませんので、製品にはUSB Type-C→3.5mmイヤホンジャックに変換するアダプターが付属します。ワイヤレスイヤホンの新製品も併せて発表されています。

Xperia史上最も大きい音が出せる

フロントデュアルスピーカーの出力がXZ1よりもさらに上がり、Xperia史上最も大きいサウンドが鳴らせるようになりました。

ハイレゾ再生(LPCM, FLAC, ALAC, DSD)、DSEE HX、aptX HD、LDAC、Clear Audio+などのサウンド機能に引き続き対応しています。

コンテンツに合わせて震える新機能

「ダイナミックバイブレーションシステム」という新機能が搭載されました。これは映像やゲーム、ミュージックビデオのサウンドをリアルタイムに解析して、コンテンツに合わせて本体を振動させることで、よりリアルな体験ができるようにする機能です。内部には左右に駆動する専用の部品が組み込まれています。

この機能はXZ2のみが対応し、XZ2 Compactは非対応となっています。

カメラは小規模な変更に留まる

引き続き1,920万画素のMotion Eyeカメラを搭載し、被写体から3Dコンテンツを生成する「3Dクリエーター」にも対応しています。

進化点は、4K HDRビデオ撮影に対応したことと、960fpsのスーパースローモーション撮影がFHD解像度に対応したことです。4K HDRビデオ撮影への対応はスマートフォンとしては世界初となるそうです。

前面カメラは画素数が500万画素に下がり、センサーサイズや画角、最大ISOも下がって一見ダウングレードしたように感じますが、一方で3Dクリエーターに対応し、セルフィーで撮影した自分の顔から3Dコンテンツを作成することが可能になりました。

なお、ソニーはXZ2 / XZ2 Compactとあわせて新しいカメラ技術について発表しています。従来はレンズ交換式デジタルカメラでしか成し得なかった最高ISO感度51200(静止画撮影時)/12800(動画撮影時)の超高感度撮影をスマートフォンで実現。新たに独自開発した2眼カメラと画像融合処理プロセッサーで、高感度と低ノイズの両方を実現するとしています。

Xperia初の2眼カメラは次期モデルに持ち越されました。Xperia XZ Premiumの後継機種で初実装となるのかもしれません。

ワイヤレス充電に対応

XZ2のみQi規格のワイヤレス充電に対応しました。Xperiaシリーズでは初めて対応したことになります。XZ2 Compactは非対応です。

バッテリー容量は、XZ2が3,180mAhでXZ2 Compactが2,870mAh。どちらも前モデルから増えています。ただし稼働時間が伸びているかどうかは不明です。ディスプレイが大型化したり新しいパーツが追加されたりしていますので。

バッテリー関連機能として、QuickCharge 3.0、USB-PD、Qnovo充電最適化、いたわり充電、スタミナモードに引き続き対応しています。


関連リンク:ソニーモバイルOfficial Sony Blog