Googleが今月6日にAndroidの最新バージョンとなる「Android 8.1 Oreo」の配信を開始しています。
対象機種は、PixelシリーズやNexus 5X、Nexus 6P、Nexus Player。すでに私の手元にあるNexus 5XにはOTAによる配信が来ています。
数カ月後にはGoogleブランドの端末以外の機種(たとえばXperiaとかGalaxyとか)にも順次アップデートが開始される見込みです。機種ごとのアップデート提供有無、提供時期は、ドコモなどの携帯電話会社やメーカーからあらためて発表されることになります。
アップデートするとAndroidバージョンが「8.1.0」になります。コードネームは「Oreo」のままですから、Android 8.1は「マイナーバージョンアップ(小幅な改訂)」ということになります。
開発者ではない一般のユーザーが直接体験できる変更点としては下記のようなものがあります。
Android 8.1 Oreoの主な変更点
- クイック設定(画面上部から引き下ろす)が透過デザインに
- 壁紙や使用状況に応じてクイック設定とナビゲーションキーの色調が変化
- 電源オプション(電源ボタンを長押したときの表示)の表示場所とデザインが変更
- Bluetooth接続中の機器のバッテリー残量がクイック設定内で確認できるように
- オートフィル(自動入力)機能の強化
- 通知音の頻度に関する変更(最大で1秒間に1回のみに)
- 設定画面上部に常に検索窓が表示されるように
- 「スリープ時のWi-Fi接続」設定項目が削除
- バックグラウンド動作アプリの通知をしない設定が追加
- 最新のセキュリティパッチ、バグ修正、最適化
- パフォーマンス向上
パフォーマンスの向上については、「共有メモリ API」と「ニューラルネットワークAPI」という2つの新しいAPIが追加されたことがポイントになっています。
「共有メモリ API」はアプリ間で共有メモリを割り当て、よく使うデータに高速アクセスできるようにするものです。対応アプリがより高速に動作するようになります。
「ニューラルネットワークAPI」はAndroidで人工知能を実行するための取り組みの一環として追加されたもので、対応端末においてハードウェアアクセラレーションを利用した推論操作が行えるようになります。
Googleのpixel 2やHuaweiのMate 10など、特定の処理を補助プロセッサによって高速化、省電力化させる動きがトレンドとなっていますが、ニューラルネットワークAPIはこうしたものに対応します。
例えば「Pixel 2」「Pixel 2 XL」ではGoogleが独自開発した補助プロセッサ「Pixel Visual Core(PVC)」が有効になり、HDR+撮影などのPVCを使った機能の処理が数倍高速化し、消費電力は10分の1になるとされています。
ニューラルネットワークAPIは対応端末でのみ意味があるものですから、多くの一般ユーザーがこの恩恵を受けるのは当分先こと(Snapdragon 845搭載端末が登場するであろう来年夏以降)になります。