12月3日に都内で開催された「HTC J butterflyタッチ&トライイベント」に参加してきましたので、レポートをお届けします。
HTC J butterfly HTL21は、KDDI auから12月上旬以降に発売される予定のHTC製Androidスマートフォンです。HTCとKDDIが共同で開発する日本市場向けモデルの第2弾であり、前作同様におサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信に対応しつつ、今作ではさらに防水やNFC、LTEにも対応し、使いやすさが向上しています。また基本性能も大きく向上し、CPUは1.5GHzのクアッドコアへ、RAM容量が2GBへ倍増、OSもAndroid4.1 Jelly Beanを初期搭載し、よりストレスの少ないサクサクとした動作が大いに期待できるものとなっています。
本体デザイン
カラーはレッド、ホワイト、ブラックの3色です。メインカラーはレッドで、前作よりも黄色味が強いポップな色味となっています。
レッドは前作の色を流用せず、いちからカラーリングを作成したという開発秘話を話してくれました。できあがったオレンジがかった赤に、最後に1滴だけ青を加え、このような鮮やか且つ力強いレッドが誕生したとのことです。
このほか、ブラックでは側面や前面のスピーカー部分にアクセントとして赤色が差し込まれており、HTC EVOやEVO 3Dなどの世代で採用されていたアクティブなデザインが再び採用されています。前作HTC Jでは女性層へのウケを重視したためか当たり障りのない平凡なデザインとなってしまっていましたが、今作ではHTCらしい尖ったデザインも蘇り、ファンも唸らせるものに仕上がっていると感じました。
正面からのビューです。超額縁設計ということで、ディスプレイの左右の縁が非常に狭くなっています。
4.8インチのGalaxy S IIIと比べて横幅は全くの同一です。ただし縦が143mmと、かなり長くなっています。よほど手の大きな人でなければ片手で全ての操作を行うのは無理があります。一方の手でしっかりとホールドし、もう一方の手で操作するというのがこれからのスマートフォンにおいては基本スタイルになりそうです。
厚さは大体同じくらいです。寸法は最も厚いところで約9.2mm、一番薄いところで5~6mmとなります。
背面はラウンドしていて、持った時のフィット感はなかなかのものです。一般的な機種ではディスプレイのすぐ下に基盤があって、さらにその下にバッテリーが配置されるのですが、HTC J butterflyの場合はディスプレイの次にバッテリーが来ます。このようにした理由は、ボディー背面に丸みを持たせたかったからなのだそうです。バッテリーは大きく平たい形状なので、一番下に持ってくるとどうしても背面が角張ってフィット感が損なわれてしまうそうですが、HTC J butterflyではバッテリーをディスプレイ直下に配置することで改善をはかったということです。
前面下部には3つのタッチセンサー式ボタンがあります。左から戻る、ホーム、アプリ履歴の順です。詳しくは後述しますが、アプリ履歴のボタンは設定で挙動を変更することもできます。
背面の上部にはカメラなどがあります。下部には卓上ホルダーのための端子があります。卓上ホルダーは発売日は未定だが発売する予定はあるとのこと。端末の発売よりも遅くなりそうだと言っていました。
側面には金属のようにみせるメッシュ調の模様が入っていて、重厚感のあるデザインとなっています。右側面には電源ボタンがあります。
電源ボタンは出っ張りが少なく、大変スタイリッシュにデザインされています。
電源ボタンは上部中央にあります。この位置は右手でも左手でも同じように操作できるので、かなりアクセスしやすいです。ボリュームボタンと同じように出っ張りが少なく、ぐいっと押し込んでやる必要がありますが、すぐ慣れると思います。
奥側に見えるのはSIMカードとmicroSDカードスロットです。カバーが付けられています。手前にはオーディオジャックがあります。キャップレス防水なので便利そうです。
底面にはUSBポートがあります。こちらはキャップレスではありませんが、これはデザインを重視してのことらしいです。耐久性ももちろん考えてのことだと思います。
ディスプレイ
次に本機種の最大の特徴とも言えるディスプレイについてです。世界でも最速レベル、日本では間違いなく初となる、5インチフルHDディスプレイを搭載したスマートフォンとなります。ピクセル密度は440ppiで、これまでのハイエンド機種のトレンドを大きく上回る値となっています。
新たに採用されたSuper LCD 3の恩恵もあるでしょうが、とにかく映像は非常に美しく表示されていました。前作とは異なり液晶を採用しているので発色がより自然でくどくなく、且つコントラストも高く鮮やかさもあります。
テキストを拡大して表示し、目を近づけて見てみると、エッジ部分のギザギザがほとんど見えませんでした。
視野角もかなり広く、80度の角度から見ても文字を認識できます。また「光学ラミネーション」という技術によって、屋外の日差しの中での視認性も高くなっているそうです。
カメラ
HTCはいつもカメラにも注力しますが、今回も同じです。今回はメインカメラこそ前作と同じですが、前面カメラが大幅に強化され、画素数が210万画素へとアップして画質が向上しています。また広角88度のレンズを採用しており、より多くの人(4人くらい)がフレーム内に収まるようになっています。
カメラのインターフェースはこのようになっています。今作から、画面のどこを押してもシャッターが切れるようになりました。
画面の右側にはカメラのシャッターボタンとビデオのシャッターボタンが同時に表示されていますが、これは動画を撮りながら静止画を撮るためにこのようになっています。静止画と動画のモードをいちいち切り替える手間も不要です。
シャッターボタンの上には各種エフェクトをかけるためのボタンが配置されています。instagram感覚でエフェクトを楽しみながら撮影することができます。
カメラ機能では1秒間に4枚の高速連写やHDR撮影のほか、パノラマ撮影や、動画撮影ではスローモーションビデオなんてのも撮れます。
動画撮影は1080ピクセルのフルHDで撮影可能です。ディスプレイもフルHDなので、ドットバイドットで表示できるわけですね。
撮影サンプルを2点貼っておきます。何も設定せずにそのまま撮影しました。十分に明るく綺麗に撮れているのではないでしょうか。
インターフェース
HTC J butterflyではHTCオリジナルUIの最新版「HTC Sense 4.0+」が搭載されています。これまで同様、かなりのカスタマイズが施されています。見た目も美しいです。
アプリ一覧では画面下部にタブが配置されています。このタブは場所を入れ替えることもできます。アイコンの並び替えや検索はもちろん、特定のアプリアイコンを非表示にすることも可能。
通知エリア部分にあるクイック設定は用意されていませんでした。前作HTC Jも無かったと記憶しています。最近の機種では有るのが当たり前になりつつあるので、さすがに不便に感じます。ただ、サードパーティー製のアプリも多数ありますし、専用の設定パネルが実装されたAndroid4.2に今後バージョンアップすること考えると、これはこれで良いのかもしません。
本体右下のアプリ履歴ボタンを押すと、最近使用したアプリの一覧を表示することができます。このボタンはメニューを表示するように設定することもできます。Android4.0以降はメニューボタンが廃止される流れとなっていますが、従来どおりのメニューボタンを好むユーザーも多いので、ここをカスタマイズできるのは嬉しいですね。
ジェスチャー操作やLED通知のカラー設定など、便利機能もいろいろありました。「反転してスピーカーを使用」や「電話を動かして着信音量を下げる」というのは便利そうです。
システム
内蔵ストレージは16GBです。ほぼ何もインストールしていない状態で空き容量が約10MBとなっていました。RAMは2GBなのでさすがに余裕があります。Androidバージョンは伏せられていましたが、米国版と同じAndroid4.1.1になるのでしょうか。ソフトウェアはまだ製品版ではなく、発売までにさらに調整されるということでした。
参考までにAnTuTu Benchmarkを走らせてみました。スコアは19,071となりました。AnTuTu Benchmarkは先日のバージョンアップによりスコアの付け方が大幅に変更されていることに注意が必要です。
さすがにクアッドコアCPU+2GB RAMのハイスペック機だけあり、良好なスコアが出ています。そしてこのスコアを裏切ること無く、実際の操作も実に快適に動きます。体感的にはほかのクアッドコアCPU搭載機であるOptimus GやAQUOS PHONE ZETA(SH-02E)と比べて遜色ないと感じました。
まとめ
ディスプレイが綺麗、カメラが気持よく撮れる、動作が快適でストレス無し、Android4.2への展開が見える、というのが本機種の良い点です。ようするに、Androidスマートフォンとしては100点に近い評価であるということです。今作ではさらに防水にまで対応した多機能モデルとなっているので、死角はありません。
問題をあげるとすれば本体の大きさでしょうか。たしかにAndroidスマートフォンの最新トレンドは「5インチフルHD」ですが、メインの携帯電話として使う場合には、人によっては大きすぎて使いにくいと感じる場合もあると思います。このあたり、購入前に店頭でよく検討したほうがよさそうです。