Gingerbread Android2.3から初めて搭載された「NFC」。Xperia arcには最新のAndroid2.3が搭載されるにもかかわらず、NFCは非搭載とされています。既にNFCを搭載した端末（Nexsus S）が存在しているのにもかかわらず、なぜソニーエリクソンはXperia arcにNFCを搭載しなかったのでしょうか。
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さて、何故Xperia arcにはNFCが搭載されないかということですが、ソニー・エリクソンの黒住氏は次のように答えています。
1つはサイズへの影響です。チップを入れるぶん、どうしても大きくなってしまいますからね。もう1つが、日本市場では別にして、世界市場ではNFCのような近距離通信がまだ一般的にはなっていません。
どちらかというと後者、つまり現時点でNFCの実用性が薄いことがその理由であると私は思います。あまり実用性が無いのであれば、薄さなどのUXを犠牲にしてまで搭載する必要は無いと踏んだのではないでしょうか。
現にNexsus SはNFCを搭載し、既に日本国内でも所有している人は多くいますが、NFCを活用するシーンはほとんど無いようです。なぜならばFelicaとは互換性があるものの、規格の範囲が異なるためにおサイフケータイのようには現状使うことができないからです。そもそもNexsus SでNFCが搭載されたのは、その実用性のためではなく、NFCの可能性をこれから探っていこうとする将来性を買っての事でしょうから、現段階で汎用機に搭載させる必要は無いのです。
それともうひとつの理由として、ソニー・エリクソンは「最新バージョンのOSを搭載することに最大限こだわった」のではないかと推測します。
黒住氏の話の中で特に印象に残るのは、「Xperia X10からの反省を最大限に活かした」というコメントです。Xperia X10では、他メーカーの端末がAndroid2.1を搭載する中、1.6を搭載してリリースしユーザーの満足を勝ち取れなかったという経緯があります。この失敗を繰り返さないためにも、Xperia arcではNFC関連で足を引っ張られるのを避けたのだと思います。
Androidに強く関心がある方にとってみればせっかくの最新機能を搭載しないことには不満が募りますが、逆に製品としての完成度を取ったと考えると、さすがは王道を行くソニー・エリクソンだな。と関心できるのではいでしょうか。
