米国の大手キャリアであるベライゾンが、7月7日からスマートフォン向けのデータ通信プランを従量課金制へ移行したそうです。これまでは一定の上限に達するとそれ以上料金が上乗せされない「定額制」が採用されていましたが、このたび従量課金制へ移行したことにより、データ通信を行った分だけ課金されるようになりました。新しいプランは「毎月2GBまで30ドル」というもので、2GBを超えた場合は1GBあたり10ドルが上限なく加算されていきます。米国ではベライゾンのほか、既にAT&Tも従量課金制への移行を済ませており、この流れは米国全体に及んでいます。
そもそも何故このような移行が進められたかというと、スマートフォンが爆発的に普及したために通信量も急速に増加してしまい、キャパを超えてしまったからなのだそうです。キャパを超えると当然安定した通信サービスを提供できなくなるのでキャリア側は設備の増設を行う必要があるわけですが、要するにそれがコスト的にも時間的にも間に合わないんでしょうね。定額制である限り、どんなに多く通信されても毎月数千円ぽっちしか課金できないわけですから。
日本でもやっぱり同じ問題に直面していて、一応LTEやWiMAXなどの次世代高速通信サービスに負荷を分散させることや、先日KDDIがサービスを開始した「au Wi-Fi SPOT」のようにWi-Fiを活用して負荷を分散させる計画を立ててはいるものの、やはりこれらの整備にも莫大なコストがかかるため、いずれ日本でもこの流れがやってくるのではないかと言うことです。(もともと2004年頃までは日本でもそうだったのですが。)
・・・
難しい問題ですよね。ドコモの辻村副社長によると、上位1%のヘビーユーザーがトラフィック全体の30%を占めている状態だということです。これはどういうことを意味するかというと、少し屈折した見方ではありますが月々5000円弱のデータ通信定額料金のうちの何割かは、一部のヘビーユーザーのために支払っているということになるわけです。このように聞くと、定額課金制もなんだか気持ち悪い感じがしてきます。
日本通信によると、スマートフォンユーザーの65%は月に200MB程度の通信しかしないそうです。ベライゾンの新プランは「2GBまで30ドルで以降は1GB=10ドル」というものですが、毎月2GB使う人など全体の数%しかおらず、大抵の人は従来通りの料金で済んでしまいます。逆にこれまで湯水のように通信を行っていた人達が激減するわけですから通信トラフィックも軽減され、これまでよりも快適な通信環境が提供されるのではないかという期待も出来そうです。
情報元:DigitalToday