ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクと並び第4の携帯キャリア(MNO)になった楽天モバイル。これまで「無料サポータープログラム」という形で地域と参加者を限定してテストサービスを提供してきましたが、2020年4月8日からは対象エリアを全国に広げ、より本格的な携帯電話サービスの提供を開始します。
プラン
「Rakuten UN-LIMIT」(読み:ラクテン アンリミット)
楽天モバイルの料金プランはこれひとつのみです。安くてシンプルな携帯電話サービスを目指すということで、将来的にもプランを増やす予定はないそうです。
提供開始日
2020年4月8日(水)
申込受付
→ 楽天モバイル
新規契約 | 3月3日(店頭は3月4日) | |
他社からの乗り換え(MNP) | ||
MVNOサービスからの移行 | 通話SIM | |
データSIM | 新規での申込みが必要 | |
無料サポータープログラムからの移行 | 4月8日 |
いずれもSIMカード(セット申込みの場合はスマホも)は4月8日より順次発送され、各種セットアップ完了後に利用できるようになります。
無制限プラン「Rakuten UN-LIMIT」の概要
月額料金
2,980円(税込3,278円)
内容
- 通話・SMSが無料
- データ通信が無料
たったの3千円で通話もデータ通信もSMSも、し放題という驚くべきプランです。
通話・SMSは「Rakuten Link」というアプリを使って発信することが無料の条件。Rakuten Link以外のアプリ(スマホに最初から入っている電話アプリなど)で発信した国内通話は、30秒につき20円の通話料がかかります。
※(0180)(0570)などから始まる電話番号、一部特番(188)への通話も無料通話の対象外です。
データ通信は、楽天回線エリア内であれば、何ギガでも無制限に無料で利用できます。
エリア外(パートナーエリア)では月に2GBまで高速通信でき、2GBを使い切ると当月中は通信速度が128kbpsに制限されます。次月まで待つか、通信容量をチャージ(1GBにつき550円)することで再び高速な通信が行えるようになります。
「楽天回線エリア」とは、楽天が敷設した自前の通信設備から発せられる電波が届く範囲のことで、サービス開始当初は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県の一部地域が該当します。
下記のページで楽天回線エリアおよびパートナーエリアを確認できます。
国際電話・海外でのデータ通信について
まずデータ通信についてですが、指定66の国と地域に関しては、月間2GBまで無料で高速通信できます(2GB超過後は128kbpsに制限。1GB=550円でチャージ可)。
それ以外の国や地域で海外ローミングを利用した場合、国・地域別に定められた料金で従量課金されます。
次に通話について。
Rakuten Linkアプリ同士の通話はいかなる条件でも無料です。
また、海外から日本へ発信した場合の通話も無料です。
日本から海外へ発信した場合、海外から海外へ発信した場合は、通話時間に応じて国・地域別の通話料金がかかります。
Rakuten Linkアプリを使わない場合はどうなるのでしょうか。
日本から海外へ発信した場合、通話時間に応じて国・地域別の通話料金がかかります。
海外から日本へ、海外から海外へは、発信できません。
キャンペーン
※下記キャンペーンは1人1回線1度のみ適用できます。
1年間無料となるキャンペーン
300万人を対象に、Rakuten UN-LIMITの月額料金2,980円が開通日から1年間無料になるキャンペーンが実施されます。
新規契約だけでなく、他社からの乗り換えや、MVNOサービスの楽天モバイルからの移行、無料サポータープログラムからの移行でもキャンペーンの対象となります。
申し込みが300万名に達した時点でこのキャンペーンは終了してしまうので、早めに申し込みたいところです。
なお、月額料金は無料となるもの、契約時の事務手数料(3,300円)、機種代(合わせて購入する場合)、オプション料、通話料は別途かかる点に注意です。
オンライン契約で3,000ポイントプレゼントキャンペーン
3月3日(火)から6月30日(火)の期間中、オンラインよりRakuten UN-LIMITを契約すると、楽天ポイント3,000ポイントをプレゼントするキャンペーンが実施されます。
こちらも新規契約だけでなく、他社からの乗り換えや、MVNOサービスの楽天モバイルからの移行、無料サポータープログラムからの移行でもキャンペーンの対象となります。
事務手数料分ポイントプレゼントキャンペーン
上記1年間無料キャンペーンの対象者を対象に、契約事務手数料3,300円分の楽天ポイントをプレゼントするキャンペーンが実施されます。
こちらも新規契約だけでなく、他社からの乗り換えや、MVNOサービスの楽天モバイルからの移行でもキャンペーンの対象となりますが、無料サポータープログラムからの移行だけは対象外となります。無料サポータープログラムからRakuten UN-LIMITへの移行には事務手数料がかからないからです。
このほかの特典として、Rakuten UN-LIMIT契約中は、楽天市場の購入金額に対して楽天ポイントが+1倍発生する「SPU」(スーパーポイントアッププログラム)が適用されます。
補足情報
どちらのエリアにいるか確認可能?
今現在、楽天回線とパートナー回線のどちらに繋がっているのか、My Rakutenアプリ上で確認できるようになります。
SIMカードのみ買える?
スマホ購入を伴わない回線契約も可能です。事務手数料分3,300円で「Rakuten UN-LIMIT(楽天モバイルSIM)」が販売されています。
→ 【楽天市場】Rakuten UN-LIMIT(楽天モバイルSIM):楽天モバイル楽天市場店
対応機種は?
現在楽天モバイル公式サイトからRakuten UN-LIMITとセットで購入できる機種は以下のとおりです。
- Galaxy Note10+
- Galaxy S10
- Xperia Ace
- Galaxy A7
- AQUOS sense3 plus
- AQUOS sense3 lite
- arrows RX
- HUAWEI nova 5T
- Rakuten Mini
- OPPO A5 2020
- OPPO Reno A 128GB
これらのほかに、MVNOの楽天モバイルで販売されている一部機種でもRakuten UN-LIMITを利用できます。
その他の機種や他社で購入した一部のスマホでも楽天回線を利用できますが、楽天モバイルでは動作保証対象外としているので自己責任のもと利用する形になります。
iPhoneは使える?
サービス開始時点でiPhoneには対応していません。
iPhone XR以降のiPhoneに楽天モバイルSIMを挿す(またはeSIMの情報を書き換える)と、楽天回線での通話・データ通信が利用できるという報告があります。しかし、iPhone用のRakuten Linkアプリが提供されていないので、無料通話はできません。サポートも受けられません。
SIMロックはかかってる?
楽天モバイルで販売されているスマホにはSIMロックがかけられていません。いわゆるSIMロックフリーのスマホとなります。
最低契約期間と契約解除料は?
契約から数カ月間は利用しなければならないという「最低契約期間」は設けられていません。また解約時、契約解除料もかかりません。
電話・通信は安定してる?
ドコモ、au、ソフトバンクの3社と比べると残念ながら現状は不安定と言わざるを得ません。現状は基地局の数が不十分であり、楽天回線エリア内であっても屋内や地下では電波が入りづらく、安定しないことがあるようです。
また、楽天回線エリアの外に出ると自動的にパートナー回線(au回線)に切り替わる仕組みですが、場所によっては切り替わらないこともあり、そうなると通話もメールもできない状態に陥ります。
ただ、楽天モバイルは基地局の増設を今後の最重要課題にあげていますので、改善方向にあることは間違いありません。
5Gはいつから?
今年の6月に提供が開始されます。対応機種、料金プランはまだ発表されていません。
4月8日以降に申し込んで300万人に間に合う?
他社からの乗り換え(MNP)や、MVNOサービスの楽天モバイルからの移行手続きは、4月8日より受付が開始されます。
気になるのは先行申込みの期間で1年間無料キャンペーンの対象上限である300万に達してしまわないかということです。
あくまで予想ではありますが、300万という数字は携帯回線の契約としてはかなりのボリュームになるらしく、4月8日以降、早めに申し込めば、300万人に滑り込める可能性は十分にあると考えられます。
状況に応じて対象者数は増減する可能性があるとのことなので、数的にも期間的にもある程度余裕が持たされているものと思われます。
MVNOサービス?MNOサービス?
MVNOサービスの楽天モバイルはドコモとauの設備を借りて自社ブランドを付けて提供しているものなので、低料金である代わりに時間帯によって通信速度が著しく低下するなどのデメリットがありました。
一方、MNOサービスの楽天モバイルでは自前の設備で携帯電話サービスを提供します。今回のUN-LIMITプランのように、より柔軟なサービス内容・料金で提供できますし、電波が安定して届く場所であれば、これまでよりも高速な通信が期待できす。ただしサービス開始当初は設備不足のためエリアが狭く、安定性が課題です。
MNO(Rakuten UN-LIMIT) | MVNO(スーパーホーダイ) | |
料金 | 2980円 | 980円~ |
通話 | 無制限 | 10分かけ放題 |
データ通信 | 無制限(楽天回線エリア内) | 2~24GB/月 |
速度制限 | 128kbps | 1Mbps |
通話 | やや不安定 | 安定 |
データ通信 | やや不安定だが高速 | 安定はしているが低速 |
※サービス開始当初予想される品質であり、設備の増設に伴い改善が見込めます。
MVNOサービスは今後どうなる?
現在提供中のMVNOサービスの楽天モバイルは、4月7日をもって新規申込受付が停止されます。
申込受付が停止されてもサービスはしばらく継続して提供されます。現MVNOサービスユーザーは、そのままMVNOサービスを利用し続けるか、MNOサービスに移行するかを4月8日以降選択できるようになります。
利用前の感想:サブとして使うなら有用か
生活圏が楽天回線エリア内であれば「データ通信し放題」の恩恵が十分に受けられるので、非常に強力なプランかと思います。
一方で、地方住まいなど生活圏がまったくのエリア外だと、常にパートナー回線での通信となり、2,980円で2GBしか通信できない、がっかりなプランになってしまいます。制限後の通信速度も128kbpsと低速であり、これではスーパーホーダイ(MVNOサービス)の方が良かったと考えるユーザーも出てきそうです。
通話に関しては、楽天回線エリアでもパートナーエリアでも、無制限に無料で通話できることはとても魅力的です。ただしやはり現状は、基地局不足などにより、接続や音声が安定しない可能性があることを認識しておかなければなりません。
これらのことから、今のスマホ環境はそのまま継続しつつ、サブ回線として新規に契約、利用するのがベストな選択かと思います。
キャンペーンの対象になることができれば1年間は無料で試用でき、その後はもし不要であれば、解約すれば良いのです。その際、契約解除料はかかりませんし、最初にかかる事務手数料分はキャンペーンのポイントで相殺できます。
ここまでで述べたように、2,980円で通話し放題・データ通信し放題という内容は決して悪いものではなく、エリアが拡大してくれば既存3社を脅かすほどの破壊力を秘めた革新的なプランになり得ます。携帯料金の高止まりを何とかするためにも、楽天には是非とも早期のエリア拡大、基地局増設を頑張ってもらいたいですね。