楽天モバイルのサービスを利用し始めてから1か月が経ちました。
使い道や、良いところ・改善してほしいところなどを僕なりに考えてみましたので、楽天モバイルや格安SIMについて気になっている方は参考にしてみてください。
データ通信用のサブ回線として
この1か月間、ドコモのSIMを挿したiPhoneをメインに、楽天モバイルのSIMを挿したAndroidスマホをサブにして、2台運用していました。
サブの方は主に、出先でのYouTube視聴、音楽ストリーミング、テザリングという3つのシーンで活用しています。
どうして通信量が比較的多いサービスをサブ側で利用するのかというと、それは通信し放題の楽天モバイル「スーパーホーダイ」を契約しているからです。
YouTube流しっぱなし
楽天モバイルのスーパーホーダイは他の一般的なスマホ向けプランとほとんど同じです。
唯一違うところは、高速通信容量を使い切った後も、最大1Mbpsという比較的速い速度で通信を制限なくし続けることができる点です。
普通は速度制限にかかると通信速度が128~256kbpsになってほとんど使い道がなくなってしまいますよね。ところが楽天のスーパーホーダイなら制限後も最大1Mbpsなので、満足に使えるコンテンツの幅が圧倒的に多いのです。
たとえばYouTubeなら360p程度の画質なら再生が途中で止まるようなこともなく問題なく見ることができます。
僕は移動中に語り系の動画をYouTubeのバックグラウンド再生機能を使って流しっぱなしにするのが好きです。これとスーパーホーダイの相性がとても良いんですよ。音楽だって外でストリーミングしながらガンガン聴いてます。
またスマホのテザリング機能を使ってPCをネット接続させるのにもスーパーホーダイは役立ちます。テキスト中心のサイトならそこそこ快適に閲覧できますし、重いサイトにでくわしてしまったら、その時だけ高速通信に切り替えて対処することも可能です。
何しろ通信量を気にしなくて良いというのは精神的にかなり楽で、出先でのスマホ利用が一層楽しくなりました。
低速はきっちり!でも高速はダメ
先に注意点を言っておかなければなりません。スーパーホーダイの低速モード(速度制限された状態)は基本的には最大1Mbpsですが、通信が混み合う12:00~13:00と18:00~19:00の計2時間だけは最大300kbpsに制限されます。
通常の低速モード、つまり最大1Mbpsに制限された状態では、僕が計測した限りではほとんどの時間帯できっちり1Mbps出ていました。しかも通信開始直後に一瞬だけ3Mbps程度の速度が出る、いわゆるバースト転送のような挙動も確認でき、これによってウェブサイトやSNSの閲覧はかなり快適に行えています。
次に混雑時の低速モード、つまり最大300kbpsに制限された状態での速度ですが、こちらも概ね公称どおりの速度が出ているようでした。さすがに動画サービスやInstagramなどは300kbpsではキツいですが、LINEやTwitter、ウェブサイトなどのテキスト主体のコンテンツなら案外イケます。
最後に高速モードについてですが、こちらは少し残念な結果になりました。早朝や平日の昼前などの空いている時間帯では20Mbpsを超える速度が出ることもありますが、他の多くの時間帯では大体2Mbps程度、速くても5Mbpsという低水準な速度しか出ませんでした。混雑する時間帯はもっと落ち込み、1Mbpsも出ないことがよくありました。
手元の資料やネットの情報によると、楽天モバイルの高速モード時の速度は、主要なMVNOの平均値よりも少し低いくらいのレベルにあるようです。
ちなみにメインで使っているドコモのSIMではどうだったかというと、ほとんどの時間帯で20Mbpsを超える速度で安定して通信でき、どれだけ落ち込んでも5Mbps以下になることはありませんでした。さすがに安定しています。
10分かけ放題がいいね
楽天モバイルのスーパーホーダイは10分以内の国内通話がかけ放題です。
10分以内の通話ならいくらかけても通話料がかからないので、楽天モバイルを契約してからは家族以外への電話は全部サブ機からかけるようにしていました。そうしたらメイン側の通話料が10分の1くらいに激減しました。
どうして家族への電話はメイン側でかけるかというと、僕はドコモでは「シンプルプラン」という一番安い通話プランを使っているのですが、シンプルプランは家族間の通話に限り無料だからです。
10分というと体感的にも結構長く感じられ、余裕を持って電話できます。ドコモの「カケホーダイライトプラン」は1,700円/月もするのに無料通話は「5分以内の通話」ですからね。5分だとちょっと心配です。
仮に時間を超過してしまった場合も楽天バイルの方がお得で、楽天モバイルでは10円/30秒で課金されますが、ドコモでは倍の20円/30秒です。
注意点としては、スーパーホーダイの「かけ放題」および10円/30秒の料金は、「楽天でんわ」という特別に用意された通話アプリを介すか、または電話番号の前にプレフィックス番号(楽天モバイルは「003768」)を付けて発信した場合のみ適用されることです。これ以外の通話はドコモと同じ20円/30秒の通話料がかかります。
楽天でんわアプリの使用感は悪くないですよ。一通りの機能は揃っている感じで、僕は特に不満を感じることなく使えています。
3年目以降が本当の料金
スーパーホーダイで一番安い「プランS」というプランを契約しています。
僕は楽天のダイヤモンド会員なので、1年目は1,058円/月、2年目は1,598円/月、3年目以降は3,218円/月で使えます。
スーパーホーダイは「長期契約+楽天会員」の条件をクリアすると1~2年目の料金を下げられるのが特徴です。確かに上の料金を見ると1~2年目は安くてメチャクチャお得に感じます。「10分以内かけ放題」、「低速モードで通信し放題」ですからね。
ただ、3年目以降は通常料金となり、負担が一気に増えます。この点を契約時にちゃんと把握していないと逆に割高感を感じることになってしまうので注意してください。3年目以降の料金が本当のコストです。
初月のみプランSと同じ料金で使える
スーパーホーダイには高速通信容量が違うS~LLまでの4プランがありますが、どのプランを選んでも契約初月だけは一番安いプランSと同じ料金しか請求されません。だから僕はプランLLで契約をして、当月中にプランSにプラン変更しました。
嬉しかったのはプランLLで使いきれなかった分が翌月に繰り越されたことです。僕は当月に20GB以上も余ったので、2か月連続で高速通信容量がたっぷりある状態で使え、リッチな気分を味わいました。
料金の日割りはなし
一方で、各種料金の日割り請求には対応していません。月初に契約しても月末に契約しても、どちらもまるまる1か月分が請求されます。つまりできるだけ月初に契約した方がお得ということです。
縛りはあるけど自動更新はされない
大手キャリアと同じように、長期割を組んで契約し、契約が満了を迎えるまでに解約しようとすると、契約解除料10,584円が請求されます。
これについては長期契約を前提にした料金設定なわけですから、約束を反故にしたときにこういったものがかかってくるというのは仕方がないことだと僕は考えています。
大手キャリアのように契約が自動更新されることがないのでマシです。契約満了以降はいつ解約をしても解除料は発生しません。
楽天の中でぐるぐるぐる
僕は昔から楽天カードをメインのクレジットカードとして使っていて、携帯料金や保険料など生活にかかる支払いの多くをこれに集約させているので毎月1,000ポイント以上は貯まるんですね。
楽天モバイルではこのポイントを月々の支払いに充てることができます。これがなかなかよく、楽天モバイルの料金をほとんど相殺できるのでお得を感じます。
それと楽天モバイル利用中は楽天市場での買い物時に付与されるポイントが+2倍になり、最大6倍、つまり100円につき6ポイントの楽天スーパーポイントが付与されることになります。還元率は驚異の6%。最近は楽天市場を積極的に使うようにしています。
大手キャリアのように使い道に悩むようなポイントが貯まっていっても仕方がありませんからね。その点楽天モバイルは楽天市場という最強クラスのECサイトがあるので、ポイントはいくらあっても困りません。
エンタメサービスはもっとお得にしてほしい
現状でも「入会後○か月は無料」という特典が用意されているので悪くはないのですが、たとえばRakuten Music、Rakuten TV、楽天マガジン、このうちのどれかひとつの料金が無料!くらいインパクトのあることをやってもらいたいと思いました。もっと楽天グループのシナジーを感じたいです。
考察
メイン回線を楽天モバイルにすることを考える
どこまで通信速度の不安定さを許容できるか、というところでしょうか。
楽天モバイルの欠点は、高速モード時の速度が遅いことです。オンラインコンテンツは4Mbps出ればどのサービスも概ね快適に利用できるとされているので、少なくとも混雑時以外ではこれくらいの速度は安定して出て欲しいところ。僕は出先でスマホやPCを使って仕事をするので、現状ではメイン回線をドコモから楽天モバイルに乗り換えることは考えられません。
ただ、「10分かけ放題」「1Mbpsで通信し放題」という内容で月々約3千円という料金は単純に考えて安いです。しかも1~2年目は半分くらいの料金で維持できるのですからなおさらです。楽天市場や楽天カードをよく使うのならお得度はもっと上がります。
安定した高速通信が絶対条件ということでもなければ、大手キャリアのサービスを使うよりも電話もデータ通信も逆にたっぷり使えて、かつ料金はグッと抑えられるということで、かなり良い選択肢だと思います。
サブ回線として使うことを考える
サブ回線として使うことを考えた場合、使い方にも左右されますが、私の場合はメイン回線の高速通信容量を補うことが主な目的なため、月3千円のコスト増はちょっと負担が大きいかなと感じました。
3千円出すならたとえば通信速度の安定性で定評のあるBIGLOBEモバイル(au回線)のデータSIMに、YouTube等のエンタメ系サービスがカウントフリーで使えるようになる「エンタメフリーオプション」を付けたほうが、通信品質でもコスト面でも満足できそうです。調べれば他にももっと良い選択があるかもしれません。
プライベート用とは別に仕事用のスマホを持ちたいといった場合にスーパーホーダイを契約するのは非常に良い選択だと思います。新しく電話番号が発行される意味が持てますし、10分かけ放題の特典があるので、短い電話を何回もするような使い方にマッチします。低速モードでの通信し放題は、テザリング機能を使ってPCでちょっとした仕事をするのにもぴったりです。
気になる今後の動き
楽天は今年10月に自社回線を使ったMNOサービスをスタートします。大手キャリアがドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天の4社体制になるということです。
MNOサービスが始まっても使用する回線が変わるだけで契約プランや契約期間は一応そのまま使い続けられることになっています。しかし、4月のドコモ新料金発表、10月の電気通信事業法改正に影響されて、楽天がサービス内容や料金プラン、契約特典を大きく変更してくる可能性は十分に考えられます。
何かが起こりそうでワクワクする!僕が楽天モバイルのユーザーになったのは、実はこれが最大の理由だったりします。