まとめ

ドコモが2018-2019冬春モデルを発表 内容を整理してみた

ドコモが10月17日に2018-2019年冬春の新商品ラインナップを発表しています。遅くなってしまいましたが発表会を振り返りながら内容を整理してみました。なお大手携帯電話会社の2018-2019年 冬春モデルの一覧を別の記事でまとめてありますのでそちらも併せてチェックしてみてください。

発表会の模様はドコモが公開しているYouTube動画で見ることができます。

各機種のスペックは下記のpdfファイルで確認できます。

ドコモの冬春モデルは全部で11機種

スマートフォン7機種、ケータイ2機種、スマホ周辺機器1機種、モバイルWi-Fiルーター1機種の、計11機種で展開されます。

スマートフォン

ケータイ

周辺機器

モバイルWi-Fiルーター

docomo withに3機種が追加

300万契約を突破し波に乗っているドコモの格安プラン「docomo with」。これの対象機種に新たに3機種が追加されることになりました。シャープ製の「AQUOS sense2」とサムスン製の「Galaxy Feel2」、富士通製の「らくらくスマートフォン me」です。

docomo withの対象機種なので価格が安いというのはもちろんなのですが、特にAQUOS senseとGalaxy Feelは手堅いスペックと使いやすい機能が受け入れられ、前モデルはシャープとサムスンの国内シェアを大きく伸ばす要因となったほど、よく売れたそうです。今回はそれの後継となるモデルが発売されるということで注目が集まっています。

AQUOS sense2はプロセッサが新しくなり全体的なパフォーマンスが向上したほか、今どきの縦横比18:9の縦長ディスプレイを採用したことで本体サイズをあまり変えずに大画面化を果たしています。カメラはセンサーが大きくなって暗いところでの撮影能力がアップ。流行りのAIによるシーン選択機能も追加されています。

Galaxy Feel2も同じく縦長ディスプレイの採用やカメラの強化、プロセッサ&メモリの強化などによって全体のパフォーマンスが向上しています。特にグラフィックス性能は前モデルと比較して270%も向上しているそうで、低価格帯の製品でありながら3Dゲームがしっかり動くとされています。またバッテリー容量はdocomo with対応機種の中で最大。モバイルデータ通信の速度も唯一PREMIUM 4G(LTE-Advanced)に対応することで速度と安定性が高められています。

らくらくスマートフォン meはシニア向けに表示や操作を簡単にした「らくらくスマートフォン」シリーズの最新モデルです。今回の一番大きなトピックはカメラ機能の拡充で、背景をぼかすポートレートモードや、撮影した花の種類がわかる「花ノート」といった機能が追加されています。全体のパフォーマンスももちろん向上しています。さらに、血管年齢計測や心拍計測機能などの健康管理機能が追加されました。

ハイエンドモデルはXperiaとGalaxy Note

ハイエンドモデルとしてソニー製の「Xperia XZ3」とサムスン製の「Galaxy Note9」が発表されました。

Xperia XZ3はXperiaスマートフォンの最新フラグシップモデルで、シリーズで初めて有機ELディスプレイを搭載したところがポイントとなります。ブラビアOLEDテレビと同じ画作りを目指してエンジニアが細かいところまでいちから調整したそうです。実際にそのディスプレイを見てみましたが、映像が立体的に見え、高いリアリティを感じることができました。ドコモスマートフォンでは唯一となる上り最大131.3Mpbsのモバイルデータ通信に対応しているところも特徴です。

Galaxy Note9は専用のスタイラスペンによって素早いメモ書きや自由度の高いイラスト入力が行えることを特徴とするGalaxy Noteシリーズの最新作です。今作ではスタイラスペン(S-Pen)にリモコン機能が内蔵され、離れた場所からカメラやスライドショーなどの操作ができるようになりました。トップクラスのハイパフォーマンスも魅力で、処理速度はもちろんのこと、今期ラインアップ中で最大容量を誇るバッテリーと、新たに実装された冷却システムによって、負荷のかかるシーンでもパフォーマンスが落ちにくくなっています。

Google Pixel 3/Pixel 3 XLは、Android OSを開発するGoogle自らが設計・開発するスマートフォンです。AI技術をふんだんに取り入れた機能を搭載するなど、Googleが考える現時点での理想のスマートフォンが具現化されています。スペックは上記2機種と比べても見劣りしない内容で、しかもGoogleが以前展開していたNexusシリーズと違い、おサイフケータイと防水に対応しているので日本市場においても使いやすいものとなっています。一方でテレビ機能とmicroSDカードには非対応には対応していないので注意が必要です。言ってしまえばGoogle版のiPhoneのような存在でしょうか。

最新のAndroid 9 Pieに対応

既発売の機種も含めて最新Android 9 Pieへのアップデート対応について発表がありました。

この冬春モデルではXperia XZ3とPixel 3/Pixel 3 XLの3機種がAndroid 9 Pieを搭載して発売。Galaxy Note9、AQUOS sense2、Galaxy Feel2の3機種は発売後のソフトウェアアップデートでバージョンアップします。提供時期は2018年11月以降順次という格好です。

既発売の機種について、2018夏、2017-2018年冬春、2017夏の一部機種にアップデートが提供されます。詳細は下の画像で確認できます。提供時期は上記よりも少し遅いタイミングと予想されます。

世界最薄・最軽量の4G対応ケータイ

大画面でハイパフォーマンスなスマートフォンが次々とリリースされる中で、もっと持ちやすくてシンプルな携帯電話が欲しいというニーズも一定数あるそうです。そこでドコモが提案するのが4G対応携帯電話として世界最薄・最軽量を実現した「カードケータイ」です。この機種は製造こそ京セラが請け負っていますが企画・開発はドコモが行っていて、完全なるオリジナルモデルとしてドコモだけが扱います。

厚さ5.3mm、重さ44gの名刺サイズのケータイです。非常にコンパクトなので、プライベート用にスマホ、仕事用にカードケータイというような2台持ちが容易に実現できます。音声通話とSMSがメインのシンプルな機能構成となりますが、ウェブブラウザも備わっていて一応ウェブサイトの閲覧が可能です。一応とした理由は、ディスプレイに電子ペーパーを採用しているのでカラー表示ができず、動作も非常に緩慢であるためです。あくまで緊急時に最小限の情報を取得するのに用いる形です。なお電子ペーパーを採用することで電池持ちは非常によく、特に静止画面の消費電力はゼロとなっています。もうひとつ重要な機能に「Wi-Fiテザリング」があります。Wi-FiタブレットやラップトップPCとの組み合わせれば最高に便利でしょう。通信速度は下り最大100Mbps/上り最大37.5Mbpsです。

なおカードケータイのほかに2年ぶりの2つ折りケータイとなる「AQUOSケータイ SH-02L」も発表されています。通話時の聞き取りやすさや、ボタンの押しやすさ、画面の見やすさなど、全体的に快適性が向上しています。テザリングにも対応しています。

スマホの”子機”として使えるアクセサリー

こちらも非常にインパクトのある発表となりました。いわゆるスマホ用の子機となる「ワンナンバーフォン」です。

1つの電話番号を2つの端末で共有できるワンナンバーサービスに対応しており、メインのスマホに設定されている電話番号と同じ番号を使ってワンナンバーフォンで電話をかけたり受けたりできます。

スマホとは比較にならないほど小型かつ軽量で持ちやすく、しかもストラップホールも付いているので、たとえば首から下げておけば重たいメインのスマホを放ったらかしにしたまま外出することも可能ですし、ワンナンバーフォンで通話をしながらスマホでスケジュールを確認するといった離れ業も可能です。

端末の価格も魅力で、税込みで1万円を切る価格で購入できます。対応機種はドコモのAndroidスマートフォンのみで、タブレットやiPhoneには非対応である点だけ注意が必要です。

カードケータイと似たコンセプトなので少し混乱するかもしれませんが、ワンナンバーフォンはあくまでスマホの周辺機器としての扱いとなり、メインのスマホありきの購入となります。個別に電話番号を取得することはできません。一方カードケータイはその真逆で、単体で購入でき、電話番号も個別に割り当てられます。ワンナンバーサービスには非対応なのでメインのスマホと番号を共有するような使い方はできません。

通信速度はリアル1Gbps超えに

ドコモは今年5月に国内最速となる下り最大988Mbpsの通信サービスを開始しましたが、これをさらに上回る下り最大1,288Mbpsのサービスを開始します。ローンチ時点で対応エリアは東名阪の一部のみ。対応機種は併せて発表されたモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi STATION(HW-01L)」のみとなります。上りの速度も131.3Mpbsにアップします。こちらはHW-01Lのほか、Xperia XZ3も対応します。YouTubeへの動画投稿などで恩恵が受けられそうです。

発表会を終えての感想

私としてはここ最近のドコモの発表会の中では一番楽しめる内容になっていたかなと思います。スマートフォンではGoogle Pixel 3に注目しています。最新のAndroid 9 Pieを余すところなく体験でき、スペックも高い、おまけにおサイフケータイにも対応ということで、ワクワク感のとても強い機種となっています。

カードケータイとワンナンバーフォンも非常に面白い製品だと思いました。特にワンナンバーフォンは、現状iPhoneとセルラー版Apple Watchでやっている電話番号の共有(これがとても便利なんです!)をAndroidスマホとこれで実現できるというのが素晴らしく、是非みなさんにも体験してもらいたいなと思うほどです。1万円弱と、買いやすい価格であるところも良いですよね。