AppleがiPhoneの2018年モデルを9月13日に発表しました。
この記事では新型iPhoneの特徴や発売日、価格、ラインアップなどをまとめました。
ラインアップ
- iPhone XS (64/256/512GB)
- iPhone XS Max (64/256/512GB)
- iPhone XR (64/128/256GB)
上記3機種が発表されました。それぞれストレージ容量の異なる3モデルが用意されているので、合計で9モデルがラインアップされた格好です。
大きく別けるとXS系とXR系の2系統に分類されます。
XS系は昨年発売されたiPhone Xの直接的な後継であり、いわゆるハイエンドに位置づけられます。XSとXS Maxの違いは主にディスプレイの大きさで、XS Maxの方が大型となっています。
一方XR系は、XS系よりも少しスペックを落として価格を抑え、さらにカラーバリエーションを多く用意することで買い求めやすくしたモデルです。廉価モデルかと言えばそうではなく、スペックも機能もiPhoneとして十分なものを備えていますし、価格もこれまでのiPhoneと同じくらいなので、より広く出回るのはむしろこちらの方なのかなという感じです。
素材とカラーバリエーション
カラーバリエーションは、XS系の2機種は、スペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色です。ゴールドは前作iPhone Xには無かったカラーなので人気が爆発しそうです。
XRは、レッド(PRODUCT RED)、イエロー、ホワイト、コーラル、ブラック、ブルーの6色展開で、2013年に発売されたiPhone 5cを思わせるポップな配色となっています。
背面の素材はXSとXRのどちらもガラスを採用しています。
フレーム(側面)については、XS系はiPhone Xと同じ光沢仕上げのステンレスを採用。XRは従来のiPhoneと同じマットな質感のアルミが使われています。
発売日
- iPhone XS 9月21日(9月14日予約開始)
- iPhone XS Max 9月21日(9月14日予約開始)
- iPhone XR 10月26日(10月19日予約開始)
キャリア版はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社が取り扱います。各社のショップ店頭、オンラインショップで、午後4時01分(日本時間)から予約受付が開始されます。iPhone XRだけ約1か月遅れての予約開始・発売となるので注意です。
SIMフリー版はApple公式サイトから予約・購入できます。開始日時はキャリア版と同じです。
価格
ここではApple公式サイトに表記されているSIMフリー版iPhoneの価格を記載します。キャリア版については各社から発表され次第、紹介します。
iPhone XS
- 64GBモデル 112,800円(税別)
- 256GBモデル 129,800円(税別)
- 512GBモデル 152,800円(税別)
iPhone XS Max
- 64GBモデル 124,800円(税別)
- 256GBモデル 141,800円(税別)
- 512GBモデル 164,800円(税別)
iPhone RS
- 64GBモデル 84,800円(税別)
- 128GBモデル 90,800円(税別)
- 256GBモデル 101,800円(税別)
iPhone RSはiPhone 8/ 8 Plusと同程度の価格帯となっているため、これまでと同じ感覚でより気軽に乗り換えることができます。
XS系の2機種は高級機であるiPhone Xの後継なので、やはりこれまでのiPhoneよりも価格帯が上になります。最小構成である64GBモデルでも11万円を超え、512GBモデルともなると15万円を超えるモンスター級の価格帯になってきます。
新型iPhoneの特徴
1世代前のiPhoneには、従来型の「iPhone 8/8 Plus」と、ホームボタンを撤廃して全く新しい操作方法を取り入れた「iPhone X」の2系統がありましたが、今作では全モデルがiPhone Xベースの新しい設計を採用したことにより、事実上、iPhoneからホームボタンが完全撤廃された形です。これにより、これまでホームボタンで行っていたアクションは、タッチ操作や側面ボタンでの操作に置き換わっています。
また、ホームボタンに組み込まれていたTouch IDと呼ばれる指紋認証機能が無くなり、Face IDと呼ばれる顔認証機能に置き換わりました。顔の形状をスキャンして個人を認証するもので、iPhoneに顔を向けるだけでロック画面の解除から決済時の認証まですべて行うことができます。新型iPhoneではFace IDの認証精度と速度が向上しています。
ホームボタンが無くなったことで見た目にも大きな影響を与えました。前面のスペースをディスプレイのためにフルに使えるようになったので、筐体サイズ(主に横幅)を変えずに、ディスプレイサイズだけを大きくすることに成功しています。Appleはこのデザインを「オールスクリーンデザイン」と呼んでいます。
パフォーマンスも強化されました。新しく搭載された新型チップ「A12 Bionic」は処理速度と省電力性が両方とも向上。グラフィックス性能や、AIのための演算処理も向上しています。さらに、チップセットに組み込まれたISP(Image Signal Processor)が進化したことによって、カメラの画質も向上しました。
OSは次期バージョンとなるiOS12を搭載して出荷されます(なおiOS12は旧モデルのiPhoneやiPad等にも9月17日より配信が開始される予定となっています。)
デュアルSIMに対応したことも大きなトピックです。1台のiPhoneで異なる携帯会社の通信サービスを使い分けることが可能になります(DSDSにも対応しています)。ただし、中国版以外はnano-SIMとeSIMの構成となっていて、eSIMの方は今後のソフトウェアアップデートによって利用可能になるためすぐには使えないうえに、各キャリアが新型iPhoneのeSIMに対応するかどうかなどの問題もあり、実際にどのような活用ができるのか不透明な部分も多いのが現状です。
ここからは3機種それぞれの特徴を細かく見ていきます。
iPhone XS
昨年11月に発売されたiPhone Xの直接的な後継モデルにあたります。後継とは言えナンバーに「S」が付くだけのマイナーバージョンということになり、何かが革新的に大きく変化したということはありません。
見た目はiPhone Xからほとんど変わっておらず、筐体の素材やサイズも同じ(重さは約3g増えた)です。防水性能のみ向上し、IP68等級になりました。最大水深2メートルで最大30分間耐えられるとされています。iPhone XはIP67等級で最大水深は1mまででした。
ディスプレイの仕様は変わっておらず、5.8インチ、2,436×1,125ピクセル、画素密度458ppiのOLED(有機EL)です。
カメラは1200万画素のデュアルカメラとなっていてスペックシート上は変化がありませんが、実はセンサーが新しくなって暗所での撮影性能が上がっています。そしてプロセッサに組み込まれた新世代のニューラルエンジンや画像信号プロセッサによって、HDR撮影や、ポートレートモードでのボケ効果が進化。撮影後の深度コントロールも可能になっています。
ビデオ撮影においても、ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps)やステレオ録音に新たに対応しました。前面カメラはこれらに加えてビデオ手ぶれ補正に新たに対応しています。
内蔵ストレージは新たに512GBのモデルが追加され、よりタフな使い方が可能になりました。バッテリーはiPhone Xより最大30分長持ちするとされています。引き続きQi準拠のワイヤレス充電に対応。充電速度がiPhone Xよりも速くなりました。
ワイヤレス通信においては今回はじめて「ギガビット級LTE」に対応しました。iPhone 8/8Plus/Xの最大速度は下り800Mbpsまでとなっていましたが、新型iPhoneでは1Gbpsを超すモバイル通信サービスにも対応します。
iPhone XS Max
一言で言えばiPhone XSの大型版です。iPhone Xにはサイズのバリエーションが無かったので、初めてiPhone Xベースの大型モデルが登場したことになります。
ディスプレサイズは6.5インチで解像度は2,688×1,242ピクセル。解像度の違いはディスプレイサイズが大きくなったことによるもので、精細度(画素密度)はXSと同じ458ppiです。
あとは本体サイズ・重量、バッテリー容量が違うくらいです。サイズ感としては従来の「Plusモデル」と同じくらいと言って問題ありません。電池持ちはiPhone 8 PlusやiPhone Xよりも20%ほど良いとされています。
iPhone XR
ホームボタンの無い「オールスクリーンデザイン」が採用されているものの、背面や側面のデザインはiPhone 6/7/8とよく似たデザインとなっていて、価格帯も従来と同程度に設定されていることから、iPhone XSの廉価版というよりも、どちらかと言うと旧世代iPhoneの後継機と捉えた方がしっくりくるかもしれません。
ディスプレイサイズはiPhone XSとiPhone XS Maxのちょうど中間くらいの大きさとなる6.1インチです。スマートフォンとしては大型の部類に入り、これまで小さいタイプのiPhoneを使ってきた方からするとかなりの大きさ、重さを感じるはずです。解像度は1,792×828ピクセルで、画素密度はiPhone 8と同じ326ppi。
iPhone XS/XS Maxとはディスプレイの種類も違います。iPhone XRでは従来のiPhoneと同じLCD(液晶)が採用されています。スマートフォン業界では今まさにLCDからOLEDへのシフトが急速に行われているところですが、iPhone XRはあえてLCDを採用することでコストの低減と従来iPhoneからの違和感のない乗り換えを実現しています。なお6.1インチのLCDはiPhone史上最大となるそうです。
カメラは1200万画素のシングルカメラを搭載しています。デュアルカメラではありませんが、ボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモードや、スマートHDRといった新機能に対応しています。前面カメラも同じように進化しています。
プロセッサはiPhone XS/XS Maxと同じです。内蔵ストレージは512GBの設定がありません。防水機能はIP67止まり。電池持ちはiPhone XS Maxと同じくらい優秀とされています。ワイヤレス通信はギガビット級LTEには非対応となっています。
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