8月7日にグローバル向けに発表されたSamsung「Galaxy Note 9」について、Samsung公式サイトや大手ニュースサイトを参考にして情報をまとめました。
動画をチェック
まずはSamsung公式のイントロダクションムービーを見てみましょう。おおよその特徴はつかめると思います。
前作から変わったところ
Samsungが公式サイトで前作Galaxy Note8との比較を画像にまとめてくれています。前作との違いが気になる場合はこれを見るとよく分かると思います。
Galaxy Noteシリーズをおさらい
Galaxy Noteは現時点でスマートフォンの世界シェアNo.1を誇る韓国Samsung社が作っているAndroidスマートフォンです。
Samsungと言えばGalaxy Sシリーズが有名ですがこれと並ぶ主力製品がGalaxy Noteシリーズであり、大型のディスプレイと本体に格納可能な非常に高機能なスタイラスペン「Sペン」を備えているのが特徴です。素早く手書きのメモを残したり、思い通りのイラストが描けるといったメリットがあります。もちろんGalaxy Sシリーズに劣らずハイスペックです。
個性的であるために他の機種と比べてリピート率が高いらしいです。一度使うとその便利さの虜になってしまうのだとか。
新モデルはGalaxy S9の機能を踏襲
今回発表されたGalaxy Note9はGalaxy Noteシリーズの2018年最新モデルとなります。昨年発売されたGalaxy Note8をベースに、Galaxy S9/9+で導入された新機能や新システムを追加してパワーアップが図られています。
機械式絞りやAI撮影機能に対応
Galaxy S9/S9+で初めて導入された機械式絞り羽根を搭載した新しいカメラシステムがGalaxy Noteにも搭載されました。周囲の明るさに応じてF1.7とF2.4の絞り羽根を自動的に切り替えることで、暗い場所では明るく、明るい場所ではシャープな撮影が可能となっています。
メインカメラは広角と望遠のデュアルレンズ構成となっていて、ワンタッチで切り替えできるので、画角を変えた撮影を楽しむことができます。また、2つのカメラを同時に使ってボケ味の効いた写真を撮ることもできます。ボケ具合はライブフォーカス機能によって画面上でリアルタイムに調整できます。
画素数は広角と望遠、どちらも1,200万画素です。機械式絞りは広角側にのみ搭載。望遠側はF2.4固定です。
カメラ機能としては、960fpsでのスーパースローモーション動画撮影や、自分そっくりのアバターが作れるAR絵文字機能など、Galaxy S9/S9+の機能をそのまま踏襲しています。一方、Galaxy Note9で新しく導入された機能もあります。
「Scene Optimizer」はAIを使ったシーン自動検出機能です。花や食事など20種類にわたるモードから、AIが自動的に最適な撮影モードを選択してくれます。AIによる失敗検出機能も特徴的です。撮った写真に目つむりやブレ、レンズの汚れ、逆光などがあるとこれをAIが検出し、もう一度撮るように提案してくれます。
リモコン機能が追加されたSペン
今回一番目を引いたのはSペンの進化です。ペン先0.7mm、4,096段階の筆圧感知によってこれまでと同じ自然な書き心地を維持しつつ、新たにBluetooth機能を内蔵したことで、少し離れたところからGalaxy Noteを操作できるという、いわゆる「リモコン機能」が追加されました。
Sペンのボタンを押すことで、遠くからカメラアプリを起動してシャッターを押したり、スライドショーのページをめくったり、YouTubeの再生停止や次の動画への移動などができるようになっています。なお対応アプリはサードパーティー製にまで拡大される予定です。
充電はGalaxy Note9の内部に収納することで自動的に行われます。約40秒の充電で、30分間使えるくらいの残量が回復するとされています。
このように大幅な進化を遂げたSペンですが、以前のSペンと大きさがそれほど変わっていないのは特筆すべきところです。しかも今回よりSペンの色がGalaxy Note9本体のカラーバリエーションにマッチするようなカラーリングになっていて、たとえばOcean Blueには鮮やかなイエローのSペンが付属します。
わずかに大きくなったディスプレイ
前面のすべてがディスプレイのように見えるInfinity Displayを今作も採用しています。サイズは前作よりも0.1インチ大きい6.4インチになって、Galaxy Note史上最大のディスプレイとなりました。サイズ以外は変わっておらず、解像度2960×1440(Quad HD+)のSuper AMOLEDパネル(有機EL)を搭載します。
新しい冷却システムを搭載
プロセッサはSnapdragon 845もしくはExynos 9810です。投入する市場によってどちらかが選択されます。また、メモリーが6GB RAM/128GB ROM構成のものと、8GB RAM/512GB ROM構成のものがあり、これも市場によって異なります。いずれにしろ最高クラスのスペックとなっていて、Galaxy Note8と比べて3~4割のパフォーマンスの向上が図られました。
今回は特にゲームプレイ時のパフォーマンスにこだわったようで、「ウォーターカーボン冷却システム」という新しい冷却システムが導入されています。いくら高性能なパーツを積んでいても発熱によってパワーが制限されて本来のパフォーマンスが出せないケースがあり、ユーザーを悩ませる原因となっていますが、Galaxy Note9では効果的に冷却することでこのようなことを起こしにくくして相対的にパフォーマンスを上げています。
ストレージは「1 terabite ready」が謳われています。Galaxy Note9は512GBまでのmicroSDカードに対応しているので、よりハイスペックな512GB ROM搭載モデルの場合、最大で1TBもの記憶領域をローカル内に確保できます。ストレージの空きに余裕があることもパフォーマンス維持のためには大切です。
プロセッサの変更にりネットワーク周りも強化されています。LTE Cat.18対応により受信時最大速度が1.2Gbpsにアップ。さらに、Enhanced 4×4 MIMOと5CA対応によって速度と安定性の強化が図られています。
OSはAndroid 8.1 Oreoの状態で出荷されます。発売から数ヶ月以内には最新のAndroid 9 Pieへのアップグレードが提供される見込みです。
バッテリー容量が大幅アップ
バッテリー容量は3,300mAhから4,000mAhへ大幅に増えました。バッテリー駆動時間はかなり伸びることが予想されます。
これだけ容量が増えても本体のサイズや重さはそれほど大きく変化していないのは称賛に値します。Galaxy Note8では過去のバッテリー発火事故の関係であえて少ない容量のバッテリーを搭載したと言われていますが、今作ではそういったネガティブな要素も払拭され、純粋にパフォーマンスが追求されています。
引き続きワイヤレス充電にも対応します。
その他の機能について
Galaxy Noteシリーズで初めてステレオスピーカーに対応しました。AKG製のスピーカーとなっていて、Dolby Atmosにも対応しています。
Galaxy S9/S9+で実装されたインテリジェントスキャン機能がGalaxy Noteにも追加されました。これは虹彩認証と顔認証を組み合わせることで通常よりも認証の精度を高めた生体認証システムで、暗闇や屋外などの認証されづらい場所でも高い精度で認証が行われます。通常の指紋認証機能も備えています。
外部モニターと接続してデスクトップPCライクに操作できる「DeXモード」も進化しました。これまでは専用のクレードルが必要でしたが、Galaxy Note9ではHDMIケーブルで(変換アダプタを介して)外部モニターに接続するだけで利用できるようになっています。
本体デザインとサイズ
本体のデザインやサイズ感は前作からほぼ変わっていませんが、重さは6g増えたことで200g台の大台に乗っています。
背面のパーツのレイアウトに若干の変化があり、指紋センサーはカメラの横ではなく下に移ったので、指が届きやすく、またカメラに指が触れてしまう心配が減りました。本体下部にはUSB Type-C端子、3.5mmオーディオ端子があります。
カラーバリエーションは「Ocean Blue」「Lavender Purple」「Midnight Black」「Metallic Copper」の4色となっています。
発売時期その他
海外では今月中に発売となります。日本での発売についてはまだアナウンスがないのではっきりとしたことは言えませんが、前作がNTTドコモとauから発売されていますし、すでに日本向けの公式サイトに日本語での商品ページも公開されていることから、国内発売の可能性は高いと見られています。仮に発売されるとして、時期は10月の末頃、冬春商戦用の製品として登場することになりそうです。
気になるのは国内で発売されるモデルとカラーバリエーションです。プロセッサはSnapdragonになるとして、メモリーはどちらの構成になるのか。Sペンの色が個性的なOcean Blueは発売されるのか。国内発表時にはこのあたりに注目したいです。