ASUSがスペイン・バルセロナでAndroidスマートフォンの新製品「ZenFone 5シリーズ」を発表しています。
発表したのは「ZenFone 5」、「ZenFone 5Z」、「ZenFone 5 Lite」の3機種です。まずは3月にZenFone 5 Liteが発売され、続いてZenFone 5が4月に、最後にZenFone 5Zが6月に発売されます。
ZenFone 5Zのみ価格が479ユーロ(約63,000円)~となることが明かされています。
「ZenFone」はASUSが展開しているスマートフォン製品のシリーズ名です。初期のZenFoneは搭載するディスプレイのサイズを製品名に付ける習慣があり、2014年にZenFone 5という名前の製品が発売されていますが、もちろん今回発表されたZenFone 5はこれとは別物。数字の「5」は5世代目のZenFoneであることを表しています。
新ZenFone 5シリーズは、ZenFone 4シリーズに引き続き、全モデルにデュアルカメラを搭載。ディスプレイは流行りの縦長ディスプレイを採用し、さらにAIによって各機能にインテリジェント機能を付け加えました。
ZenFone 5
ZenFone 5はプロセッサにSnapdragon 636を採用したミドルレンジのモデルです。Snapdragon 636はQualcomm最新のミドルレンジ向けのプロセッサであり、ZenFone 5はこれを世界で初めて搭載するスマートフォンとなります。
ZenFone 5にはいくつかのモデルが用意されます。最も高い構成ではメインメモリーが6GB、内蔵ストレージが64GBとなります。また最大2TBのmicroSDカードに対応します。
モバイルネットワークはGSM/GPRS/EDGE、WCDMA/HSPA+/DC-HSPA+、TD-SCDMA、CDMA 2000、FDD-LTE、TD-LTEに対応。LTE Cat13に対応し、下り最大600Mbpsまでの通信が可能です。
ディスプレイは6.2インチのSuper IPS+ displayを採用。解像度2,246×1,080ドット、縦横比19:9の縦長ディスプレイとなっていて、ベゼルは狭く、前面のうち90%をディスプレイが占めます。そのため、一般的な5.5インチディスプレイのスマートフォンと同じくらいの本体サイズを実現しています。
上部には俗に”ノッチ”と呼ばれる切り欠き部分があり、AppleのiPhone Xと似通った外観をしています。
また、iPhoneのTrue Toneのように常に一定の色味になるよう色温度を変動させる「AI Auto Color Temperature」や、ユーザーがディスプレイに視線を移すとスリープが解除される機能を備えています。
カメラは1,200万画素の標準カメラと120度広角カメラを組み合わせたデュアル構成となっていて、シーンに応じて使うカメラを選択できます。
標準カメラはソニーの最新モジュールであるIMX363デュアルピクセルイメージセンサーを採用。センサーサイズは1/2.55インチ、ピクセルサイズは1.4µm、F値は1.8。F1.7でピクセルサイズが1.12µmの一般的なカメラと比較して5倍明るい撮影ができるとしています。前面カメラは800万画素でF値は2.0。
ASUSはZenFone 5に搭載したカメラを「インテリジェントデュアルカメラシステム」と呼んでいます。AIがシーンを自動検出する機能や、AIがリアルタイムに美容効果を与える機能、ユーザー好みの設定をカメラに学ばせる機能などがあります。
このほか、iPhone XのAnimojiに対抗する「ZeniMoji」という機能を備えています。前面カメラで自分の顔の動きをスキャンし、画面上のアバターでモーションを再現できます。ビデオとして保存したり、チャットやライブストリーミングで共有して楽しみます。
バッテリー容量は3,300mAhです。独自のBoostMaster技術によって高速充電が可能です。また、AIによる制御でバッテリー寿命を長引かせます。
OSはAndroid 8 Oreo。通信機能はWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac 2.4 & 5GHz、Bluetooth 5.0、NFCに対応。その他、指紋認証、顔認証、デュアルスピーカーなどを備えます。本体サイズは153×75.65×7.85mm。重量は155g。
上位モデルのZenFone 5Z
ZenFone 5をベースに一部をアップグレードしたモデルです。プロセッサはQualcomm最新・最上位のSnapdragon 845、メインメモリーは最大8GB、内蔵ストレージは最大256(UFS2.1)となり、最大1.2Gbpsのモバイル通信に対応します。
ZenFone 4シリーズではスタンダードモデルのZenFone 4とハイグレードモデルのZenFone 4 Proの間にはディスプレイやカメラの仕様にも大きな違いがありましたが、ZenFone 5シリーズでは上記の箇所のみの違いとなっています。本体サイズや重量も同じです。
しかし冒頭でも紹介しましたがSnapdragon 845を搭載するなど他社のハイエンドモデルに勝るとも劣らない構成でありながら約6.3万円という価格設定は大変魅力的です。大手PCパーツメーカーだからこそ成せる技なのでしょうか。是非日本でも同じ価格帯で発売してもらいたいところです。
ZenFone 5 Lite
背面のデュアルカメラに加えて前面にもフラッシュ付きのデュアルカメラを搭載したモデルです。製品名に「Lite」とあるので単にZenFone 5/5Zの廉価版かと思ってしまいますが、実質的にはZenFone 4 Selfieの後継機種にあたり、自撮り機能が拡張されています。
前面デュアルカメラは2,000万画素ソニーIMX376イメージセンサーを採用した標準カメラと、120度広角カメラを組み合わせたものとなっていて、シーンに応じて画角を変えられるほか、背景をぼかしたポートレート撮影も可能です。また、前面カメラを使ったライブストリーミング配信では自動的に美容効果を与えて印象を整えるなど、自撮りに役立つ機能がいくつか搭載されています。
背面カメラは1,600万画素センサー+F2.2レンズの標準カメラと120度広角カメラを組み合わせたものとなっています。
ディスプレイは縦長ではあるものの比率は18:9(2,160×1,080ドット)でサイズは6.0インチに。上部のノッチもなく、画面占有率は約80%にとどまります。
ZenFone 5 Liteにはスペックの異なる2モデルが用意されます。プロセッサにSnapdragon 430を採用したモデルはメインメモリーが3GBで内蔵ストレージが32GB。Snapdragon 630を採用したモデルはメインメモリーが4GBで内蔵ストレージが64GBの構成となります。
この2モデルは無線LANの対応規格も異なります。Snapdragon 430搭載モデルはIEEE802.11 b/g/n対応なのに対し、Snapdragon 630搭載モデルはIEEE802.11 a/acまで対応しています。
さらに、対応周波数や最大通信速度も異なり、全体的にSnapdragon 630搭載モデルのほうがハイスペックとなっています。
OSはAndroid 8 Oreo。バッテリー容量は3,300mAh。生体認証として顔認証と指紋認証に対応。外部端子はmicroUSB Type Bと3.5mmオーディオジャックを備えます。
デュアルSIMに対応し、microSDカードトレイとSIMカードトレイが独立しているのでDSDSとSDカードを同時に使えます。
2018年3月1日:ZenFone 5 Liteの説明に誤りがありましたので大幅に修正しました。ご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。