現地時間8月21日にGoogleがAndroid OSの新バージョン「Android 8.0 Oreo」を発表しました。
新バージョンは「Android O」という名前で開発プレビュー版が提供され、これまで開発とテストが行われてきましたが、ついに正式なバージョン名とコードネームが発表されました。アップデートの配信も近日中にPixel端末と一部のNexus端末向けに開始されます。
そして今年の末までには、シャープやソニー、京セラを含む多くのメーカーからAndroid 8.0 Oreoを搭載した新モデルがリリース、または既存モデルへのアップグレードが行われる予定です。
なお開発者向けのファクトリーイメージはすでに公開・配布されています。対象端末はNexus 5X、Nexus 6P、Nexus Player、Pixel C、Pixel、Pixel XLの6モデル。Nexus 6とNexus 9は対象外となっています。
コードネームは予想通りの「Oreo」
バージョン番号が「8.0」になることは実は2ヶ月以上前から判明していましたが、開発コードネームはずっと隠されたままでした。最も有力視されていた「Oreo」がそのまま採用されたことは意外です。Googleならもっと予想外の答えを持ってくると思っていました。
新しいマスコットが発表されています。
Androidの主なバージョンとコードネーム
- Android 1.5 Cupcake
- Android 1.6 Donut
- Android 2.0/2.1 Eclair
- Android 2.2 Froyo
- Android 2.3 Gingerbread
- Android 3.0/3.1/3.2 Honeycomb
- Android 4.0 Ice Cream Sandwich
- Android 4.1/4.2/4.3 Jelly Bean
- Android 4.4 KitKat
- Android 5.0/5.1 Lollipop
- Android 6.0 Marshmallow
- Android 7.0/7.1.1 Nougat
- Android 8.0 Oreo ← New
Android Oreoの特徴
Android Oreoはバッテリー消費の削減とパフォーマンスの向上に大きな優先順位をおいて開発されました。
コンカレントコンパクション ガベージ コレクション、メモリ使用の効率化、コード ローカリティといったプラットフォームの最適化によって、起動時間が短縮され、OSとアプリの両方でパフォーマンスが改善されました。起動時間はPixel端末で最大2倍の速さになったといいます。
また、マルチタスク時は端末のリソースが減って動作が遅くなったり予期せぬシャットダウンが発生したりしますが、Android Oreoではユーザーがアプリを直接操作していないときにアプリで実行できる動作を制限することで、余計なリソース消費をできるだけ抑え、パフォーマンスを維持します。バックグラウンドアプリによる位置情報の取得頻度を下げることでもバッテリー消費を削減しています。
ユーザーエクスペリエンスの向上につながる変更としては、まず通知システムの改善があります。Android Oreoでは「通知チャンネル」という新しい機能が追加されています。通知の種類ごとにユーザーがカスタマイズ可能なチャンネルが作成できるので、瞬間的にどのような通知なのかを判断できるようになりました。
また、ホーム画面上のアプリアイコンに通知バッジを表示する機能が導入されました。通知バッジはアイコンをロングタップすることで表示され、アプリに関連付けられている通知(ユーザーがまだ消去していない、または操作していない通知)があることを示します。
オートフィル機能は、これまでブラウザのみで使えたパスワード管理・オート入力機能をアプリでも使えるようにしたものです。ユーザーが自動入力を選ぶと、既存のアプリや新しいアプリはオートフィル機能と連携します。
ピクチャ・イン・ピクチャ機能もOSレベルで実装されました。メインで表示しているアプリのほかに、サブのアプリを小窓で表示することができます。
これらAndroid 8.0 Oreoで実装された新しい機能は、Googleが運営している開発者向けサイト「Android Developers」や、Androidの公式サイトなどで詳しく知ることができます。