アマゾンでスマートフォン向けの充電&同期用USBケーブルを販売しているABOATというメーカーから、USB Type-CのUSBケーブルのレビュー依頼がありましたので、使ってみた感想を書きます。
レビューする商品はこちらです。
片方がType-Aプラグ、もう一方がType-Cプラグの充電&同期USB2.0ケーブルで、0.5m、1m、2mの3本がセットになった商品です。価格は税込999円。送料は別途かかりますが、合計2,000円以上の注文で通常配送が無料となります。
アマゾンのページに記載されている商品説明によると、通常よりも太めの28/20米国ワイヤゲージ規格充電用銅線を採用。ケーブル抵抗を低減し、高速な充電とデータ伝送が可能とのこと。またプラグ内に56kΩの抵抗を実装し、過電流にならないように保護しているとのことです。
耐久面では優れたPV被覆を採用し、5,000回の折り曲げテストでも断線しない耐久性を確保。通常の使用であれば何年も使えるとされています。その上、通常使用での故障でさえあれば新品と交換してくれるとのことなので安心感があります。
対応機種は「全てのType-C機器」となっていて、一例としてXperia XZ、ZenFone 3、Nexus 5X、Nexus 6Pなどが記載されています。
内容物
こちらがパッケージです。販売業者は「深圳市小船电子商务有限公司」となっていて、中国の深センに本社を置く会社のようです。きっとメーカーとしては規模があまり大きくないのでしょう。アマゾンで販売している商品の数は4つしかありません。しかしユーザーレビューは軒並み高く、品質は期待できます。
USBケーブル3本と、これらを納めるポーチが入っていました。ケーブルは輪ゴムでまとめられています。輪ゴムは収納する際には便利ですが、何十回も繰り返し使えるほどの耐久性はなさそうです。ポーチの質は価格なりといったところ。
プラグとケーブルの品質
見た目は極々普通のプラグとケーブルです。特に剛性がありそうとか、高級に見えるとか、そういう感じはありません。
Type-C側のプラグはかなり「しっかり目」の装着感です。手持ちのXperia XZではややキツイかなという感じでした。何回か抜き差しを繰り返していたらあまり気にならなくなりましたが、もう少し緩いほうが私は好みです。ソケットが損傷したり、それまで使っていたプラグがゆるゆるになってしまったというような問題は今のところ起こっていません。
アマゾンのレビューで「使っているうちにカバー内が露出してしまう」という指摘があり、この点を検証するべく何度か折り曲げテストをしてみたのですが、確かに早い段階でシース(外被覆)が破れて中身が露出してしまいました。ケーブルの中腹でも同じことが起こりました。
過度な折り曲げをテストした結果なので通常使用ではこのようなことは起こりにくいと思いますが、商品説明にある「優れたPV被覆」というのはちょっと違うのかなと思いました。ただ、シールド内部は無事なようで、この状態でも充電は可能でした。
充電性能
QuickCharge3.0対応のAnker製充電器を使って、充電時の電圧と電流を測定してみました。結果、電圧は約9V、電流は1.35Aとなりました。2mのケーブルでは電圧の値が少し低くなりましたが大きな差ではありません。
次に同じ充電器を使ってAnker製USB micro Bケーブル+USB Type-C変換プラグの環境でテストしました。電圧は8.7V、電流は1.44Aとなりました。若干の違いはありますが電力としては12W強と、先ほどのテスト結果と同程度です。
最後にドコモ純正の充電器「ACアダプタ 06」を使ってテストしました。やはり電力は12W強となりました。
ABOATのケーブルを使っても特に充電が不安定になるようなことはなく、十分に適正な状態で充電ができていました。充電性能には問題はなさそうです。
安全性
安全性についてはUSB Type-Cの規格どおり抵抗56kΩが実現できているということなので、3A対応端末に3A非対応の充電器を挿して充電すると過電流により機器が故障してしまうという、いわゆる「USB Type-C問題」は起こらないはずです。
2mの長さは便利
これまで1mのケーブルばかりを使ってきましたが、2mのケーブルを使いだすと手放せなくなります。特にソファーやベッドで横になりながらスマートフォンを使っているときに、以前のように充電器側に引っ張られるような感覚がなくなり、快適に使えるようになりました。
0.5mのケーブルはモバイルバッテリーと組み合わせたり、車内で使ったりすると良いかもしれません。
USB2.0とUSB3.1
このケーブルはUSB2.0対応です。最新のUSB3.1(3.0)対応ではないのですが、違いは転送速度だけで、充電性能に差はありません。
現状はUSB3.1(3.0)に対応しているスマートフォンは少なく、例えばXperia XZもUSB2.0止まりなので、私としては無問題。USB 3.1対応のスマートフォン&PCなどを使っている場合や、将来性を考えるのであればUSB3.1対応のケーブルを視野に検討すると良いと思います。
ただ、USB3.1対応できちんと規定を満たしているケーブルは長さが1m以下なので、長いケーブルが欲しい場合は結局USB2.0対応ケーブルから選ぶことになります。
まとめ
充電性能とUSB Type-C問題はクリアしています。ケーブルのシースには耐久面に課題あり。長さの違うUSB Type-Cケーブルを安価に入手したい場合には、検討する価値はあると思いました。
協力:AboatDirect jp