米Amazonは開発者向けのAmazon Web Services(AWS)において、高負荷・大容量のアプリやゲームをクラウドからストリーミングできるようにするサービス「Amazon AppStream」を3月12日より一般公開しています。現在は米国の一部地域を対象にしており、順次拡大する予定です。
通常、高負荷で大容量のアプリケーションを動作させるには高い処理能力を持つ端末が必要であり、より多くのユーザーを獲得したいという意志とは裏腹に、ハイエンドなハードウェアを持たないユーザーを対象外にせざるを得ないこともあります。今回公開された「Amazon AppStream」は、このような問題をクリアするひとつの手段です。
「Amazon AppStream」は、AWSのインフラでアプリケーションを処理してPCやタブレット、スマートフォンなどの端末に出力をストリーミングします。処理をクラウド側の強力なコンピュータに任せることで、ユーザーが使用する端末の性能に制約されることなく、複雑なアプリケーションを各端末上で実行することが可能となります。また、プラットフォームごとにアプリケーションに接続する小規模なクライアントを用意するだけで、マルチプラットフォーム化することもできます。
最近ではスクウェア・エニックスがPC/家庭用ゲーム機向けゲーム「ドラゴンクエストX」をクラウド化してスマートフォン・タブレットに提供しています。また、ソニーもストリーミングゲームサービス「PlayStation Now」を今夏より米国で配信する予定です。スマートフォンの普及でハードウェアやプラットフォームの多様化が進み、同じクオリティーのサービスを一様に提供することが難しくなっていているため、「Amazon AppStream」の登場でこういった仕組みのアプリ・ゲームが今後一気に増える可能性があります。
メリット
デバイスの制約の排除
AWS の処理能力を利用すれば、ローカルデバイスでは GPU、CPU、メモリ、または物理ストレージの制約のために通常は不可能とされているエクスペリエンスを提供できます。
マルチプラットフォームのサポート
アプリケーションを 1 度作成すると、複数のデバイスプラットフォームにストリーミングできます。新しいデバイスのサポートは、アプリケーションに接続する小規模なクライアントを記述するだけで完了します。
簡単な更新
アプリケーションは Amazon AppStream によって集中管理されているため、アプリケーションの更新はアプリケーションの新しいバージョンを Amazon AppStream に提供するだけで済みます。これだけで、お客様の側では何も行わずに、すべてのお客様を即時にアップグレードできます。
瞬時に開始
AppStream を使用してアプリケーションをストリーミングすると、大きなファイルのダウンロードに関わる遅れや時間のかかるインストールなしに、お客様はアプリケーションやゲームをすぐに使い始めることができます。
セキュリティを強化
従来のパッケージソフトウェアとデジタルダウンロードではアプリケーションが盗難やリバースエンジニアリングの被害を受ける可能性がありますが、Amazon AppStream ではアプリケーションバイナリを AWS データセンターに安全に保管します。
自動スケーリング
Amazon AppStream を使用して容量のニーズを指定できます。サービスが、ストリーミングされるアプリケーションを自動的にスケーリングし、お客様のデバイスをアプリケーションに接続します。
情報元:Amazon