Qualcommがモバイル向けプロセッサの新モデル「Snapdragon 801」「Snapdragon 615」「Snapdragon 610」を発表しています。
「Snapdragon 801」は、ハイエンドデバイス向けに提供されてきた「Snapdragon 800」の強化版です。これまでと同じKrait 400 クアッドコアCPUおよびAdreno 330 GPUを搭載していますが、CPU周波数が2.5GHzに、GPU周波数が578MHzに高められています。このほか、HEVC 1080p、eMMC5.0、マルチSIMへのサポートや、カメラ画像処理の高速化も含まれています。
なお、Snapdragon 801には「MSM8974AB」と「MSM8974AC」の2種類の型番が用意されており、後者の方がより高性能なものになっています。MWC2014で発表されたデバイスでは、Sony Xperia Z2が「MSM8974AB」、Samsung GALAXY S5が「MSM8974AC」を採用しています。
Snapdragon 800 | Snapdragon 801 | ||
MSM8974 | MSM8974AB | MSM8974AC | |
CPU | Krait 400 クアッドコア | Krait 400 クアッドコア | Krait 400 クアッドコア |
CPU最大周波数 | 2.3GHz | 2.3GHz | 2.5GHz |
GPU | Adreno330 | Adreno330 | Adreno330 |
GPU最大周波数 | 450MHz | 550MHz | 578MHz |
メモリー | LPDDR3-1600 | LPDDR3-1866 | LPDDR3-1866 |
eMMC | 4.5 | 4.5 | 5.0 |
モデム | LTE-Advanced (Cat.4/150Mbps) | LTE-Advanced (Cat.4/150Mbps) | LTE-Advanced (Cat.4/150Mbps) |
プロセスルール | 28nm HPm | 28nm HPm | 28nm HPm |
「Snapdragon 615/610」はミドルレンジデバイス向けのプロセッサで、同社が昨年12月に発表したSnapdragon 410と同じARMv8アーキテクチャ対応の64ビットCPUを搭載しています。コア数はSnapdragon 615が「8コア」で610が「4コア」。615は「4+4」コアのBig.Littleを採用しています。
この他の仕様は共通で、CPUの最大動作周波数は1.8GHz。プロセスルールは28nm LP。GPUはAdreno405を搭載。グラフィックスAPIはDirectX 11.2とOpen GL ES3.0に対応。OpenCLによるGPGPUコンピューティングにも対応します。ディスプレイ解像度は最大QHD(2560×1600)で、Miracastに対応。H.265ハードウェアデコーダーも内蔵します。
通信機能は802.11ac Wi-Fi、Bluetooth4.1に対応。モバイル通信はカテゴリ4(最大150Mbps)のLTEのほか、3GはHSPA+、CDMA、TD-SCDMAに対応しています。
Snapdragon 615/610のサンプル出荷は2014年第3四半期、搭載デバイスは同年の第4四半期に登場する予定となっています。