富士通と富士通研究所は2月24日、触感が得られるタッチパネルを搭載したタブレットを試作したと発表しました。
超音波振動でタッチパネルと指との摩擦力を変化させ、触感を提示する技術を業界で初めて開発。今回試作されたタブレットはこの触覚技術を実装したもので、タッチパネル上でツルツル感やザラザラ感を体感でき、その触感を画面に表示されるものに適用することでリアリティのある感覚を楽しむことが可能だということです。
今後、触感表現や表現の多様化ついて研究開発を進め、2015年度中に製品化することを目指すとしています。
なお、この試作機はスペインで開催のMWCで展示されます。「ワニ」「DJ」「琴」「金庫」を題材に、視覚・聴覚・触覚をあわせた新しい感覚を体験することができるデモが行われる予定です。
開発された技術
- 従来にないツルツル感の実現タッチパネル表面を超音波振動させることにより、パネル表面と指との間に高い圧力の空気膜を発生させ、その浮揚作用により摩擦力が低減します。この現象を利用すると、タッチパネルに触れた際に従来実現が難しかったツルツル感を感じることができます。超音波周波数帯の振動には大きなエネルギーを要しますが、携帯端末サイズで効率よく振動させられる技術を開発し、この触感を試作機に実現することに成功しました。
- 錯覚を利用した凹凸やザラザラ感の実現パネル上を操作する指のタッチ情報と画面の表示情報に応じて摩擦力の高低を瞬時に変化させることで、ヒトに触感の錯覚を誘発し、画面に凹凸感やザラザラ感を実現しました。この触感情報に加え、ディスプレイに表示される視覚情報とスピーカーから出力される音響情報を効果的に提示することで、画面に表示された情報をより豊かに表現します。
情報元:富士通