ソニーモバイル主催の「Xperia アンバサダー・ミーティング」に参加してきましたのでレポートします。今回のテーマは、一昨日22日に国内での発売が発表されたAndroidスマートフォン/タブレット「Xperia Z Ultra」です。6.4インチの大型ディスプレイと、6.5mm/約214gの軽量スリムボディーが特徴となっています。
Xperia Z Ultraのイベント・レビュー記事
製品説明
イベントは製品説明から始まりました。ソニーモバイル担当者さんが話してくれた開発秘話など織り交ぜながら、Xperia Z Ultraがどのような端末なのかを紹介していきます。
厚さ6.5mmは世界最薄である
Xperia Z UltraはXperia Z1よりも2mmも薄い、厚さ約6.5mmを実現しています。これはフルHDのスマートフォンとしては世界最薄。6インチ以上の液晶を採用するタブレットの中でも世界最薄となります。
どうやって世界最薄を実現したか
ソニーモバイルで端末の内部の機構や外装の設計を担当しているコタケさんが答えてくれました。
それによると、Xperia Z Ultraでは部品を基板の片側に集約して配置したり、部品を基板に直接貼り付ける技術を適用するなどして、スペースを最大限効率化しているそうです。会場には実際の端末を真っ二つにして断面が確認できるものが展示されていましたが、これをみるとまるで地層のように各パーツが隙間なくぎっしりと詰まっている様子が確認できました。
さらに、Z Ultraのために超薄型のバッテリーも新規開発したそうです。こちらも実物が展示されており実際に触れてみたのですが、リムーバブルタイプのバッテリーと比べ、その圧倒的な薄さに驚きました。
強度を保つための仕組み
筐体がこれだけ薄いと強度面で心配になりますが、Xperia Z Ultraではメインのシャーシに裏表のガラスやサイドのパネルを直接貼り付け箱状にすることで、曲げや捻り、落下といったものに対して十分な強度を確保しているそうです。また、サイドのアルミ製パネルはデザイン上の高級感を演出するだけではなく、強度アップにもつながっているとのこと。
画面サイズを6.4インチに決めた理由
普段持ち歩ける範囲の「情報端末」として最も適したサイズはどれだ?というところからXperia Z Ultraの企画はスタートしたそうです。最近では電話、メール、SNSに加え、動画視聴や電子書籍の利用など、情報端末としての側面が強まってきています。このような中で、小型のスマートフォンから果ては大型のタブレットまで小刻みにブロックを作って、最適なサイズを探っていったといいます。
最終的に6.4インチというサイズに決めたのは、国際的にほぼサイズが決められているパスポートと同じ92mm幅が実現できるからだったのだそうです。ディスプレイを6.4インチにしたときに、本体の幅がちょうどパスポートと同じ幅になったわけですね。パスポートはうまく作られていて、女性の手でも片手でしっかりと握ることができますし、スーツやかばんのポケットにもスルッと入れることができるのだとか。
国内版ではボリュームキーをシャッターキーとして使える
カメラについては画素数が810万画素でGレンズ不採用、カメラフラッシュ無しと、Z1/Z1 fと比べてスペックダウンしているところもありますが、センサーは同じ「Exmor RS for mobile」で明るく撮影でき、反響のあるARエフェクトなどのソーシャルカメラアプリも利用可能となっています。
Z Ultraには端末側面にカメラボタンが搭載されていませんが、実は国内版ではボリュームキーを使ってシャッターが切れるようになっているとのこと。設定をのぞいてみると、確かにボリュームキーをシャッターにとして使う設定が用意されていました。
”Xperia史上最も美しい”ディスプレイ
今回説明をしてくださったソニーモバイル担当者さんによれば、”Xperia史上最も美しいディスプレイ”に仕上がっているといいます。その仕組をディスプレイ開発担当のサイトウさんが説明してくれました。
Xperia Z Ultraのディスプレイは、「トリルミナスディスプレイ for mobile」や「X-reality」、「オプティコントラストパネル」を搭載するなど基本的にはXperia Z1のディスプレイと同じなのですが、より視野角の広い液晶を使うことで、カーナビとして使うときや複数人で同時に写真を見たりするときなどに、どの角度からでも綺麗に見れるようになっているとのことです。また、赤や青といったインパクトの強い色を拡張しつつ、人の肌の色が自然に見えるよう、カラーマネージメントにも相当力を注いだといいます。
ユースケース
Xperia Z Ultraのユースケースがいくつか紹介されました。中でも共感したのは「電子書籍が読みやすい」というところです。大画面なので表示を拡大しなくても文字や画像が見やすいですし、サイズや重さが文庫本と似ているので取り回しがかなり楽だと想像できます。個人的にはカーナビとしての活躍にも期待が大きいです。
- 大画面なのでウェブサイトや書籍の閲覧では拡大しなくても文字や画像が見やすい。
- 400ページの文庫本とほぼ同じ重さなので、片手での操作や持ち運びが楽。
- キッチンでは防水・防塵対応で心配がなく、スモールアプリでタイマーを表示しつつレシピを見るといったマルチタスクも容易。
- カーナビにおいては最近の主流は7インチでサイズもぴったりな上、薄型でコンパクトなのでダッシュボードの上など容易に設置できる。
- 動画視聴では専用の卓上ホルダーを使うと快適。フルセグは大画面でこそ活きる。
- 大画面でカメラを使うと、空間をそのまま切り取るようなイメージで撮影できる。そしてハガキと同じくらいの大きさで画面に映せる。
- 複数人で写真や動画をみるときには高視野角のディスプレイでどの角度からでも綺麗。
- 大画面なので手書き入力やスケッチが捗り、撮った写真を加工して共有するという楽しみ方も。
- 大画面なので文字入力がしやすい。キーピッチは電子手帳とほぼ同じの1.3mm。
- ゲームは大画面のほうが迫力があって楽しい。
LTE版とWi-Fi版のスペックの違い
今回LTE版がau KDDIから、Wi-Fi版が量販店等から発売されますが、両モデルの違いをまとめた表が公開されました。
写真のアングルで大変見難いのですが、黄色くなっているところが差異のある項目です。モバイル通信の対応/非対応、チップセットのモデル番号の違い、本体質量の違い、おサイフケータイの対応/非対応、ワンセル・フルセグの対応/非対応、赤外線通信の対応/非対応、おでかけ転送の対応規格、付属品、そして販売元に違いがあります。
チップセットについては世代や性能自体には違いはなく、モバイル通信用のモジュールがあるか無いかの違いだけです。おでかけ転送は、LTE版がMpeg2(DRモード)とAVCに対応。一方Wi-Fi版はAVC(XRモード以降)のみ。ただしこれによるユーザーへの影響はほとんど無いと案内されていました。付属品については、LTEモデルが卓上ホルダとTVアンテナケーブルが付属し、Wi-Fi版はACアダプターが付属します。
また、ロゴの位置などデザイン上の違いも若干あります。
アクセサリー紹介
Xperia Z Ultra用のアクセサリーがソニーストアや量販店、au +1 collectionなどで販売されます。BluetoothハンドセットSBH52はXperia Z Ultraの子機として電話に出たり、かけ直したりできる優れもの。着信音が鳴るスピーカーも搭載しています。
20,000円前後と高価な「パワーカバー」は、Z Ultra本体のバッテリー容量と同じ3,000mAhのバッテリーを内蔵したカバーです。スタイラスペンも付属します。
また、レンズスタイルカメラ「QX10/QX100」を直接セットできる専用カバーも発売されます。
質疑応答
Q.グローバルでは昨年6月に3G版が発売、LTE版は9月に発売されているが、なぜ日本ではこの時期なのか。
A.市場の動向も含めて今のタイミングがベストと判断した。日本において一番ニーズが高まったタイミングで出すことができたと感じている。決して遅れた訳ではない。日本から発売を希望する声をたくさんもらったことを受けて今回発売につながったというところもある。
Q.Wi-Fi版のOSバージョンアップについてどう考えているか。この時期でAndroid4.2.2というのは厳しいのではないか。
A.カメラ、ウォークマン、アルバムなど全てのアプリケーションを作りこんだ上で搭載しているので、こういうものの完成度を踏まて今後対応していきたいと思っている。対応できるように頑張る。バージョンアップの明確な時期は言えない。
おみやげ
今回のイベントではソニーモバイルさんのご好意でかなり充実した内容のおみやげをいただくことができました。
Xperia Z Ultraの実機および付属品はau版(SOL24)で、SIM入りの状態で1ヶ月間レンタルさせてもらえることに。そしてなんと、ソニーの電子書籍ストアReader Storeで使える1,000円分の「図書券」も・・・!病み付きになるから一度Z Ultraで読書してみてよ。ということなのでしょう。
というわけで、借りてきた実機を試用した上で何度かレビュー記事を投稿していく予定です。どうか期待せずにお待ちください。
イベントに参加して
ユースケースを聞いていて何度も頷いてしまいました。そして、Z Ultraがあれば普段抱えている悩みがいくつも解消されるかもしれないと考えるようになりました。
実際私の使い方ではスマートフォンを電話機として使う機会は少なく、ニュースをチェックしたりSNSを利用したり、動画や書籍を見る方が、頻度、時間共に圧倒的に多いのです。また、田舎暮らしなので移動は基本的に車ですから、歩きスマホしたり電車で立ったまま使ったりということもほとんどしません。であるならば、もはや電話機としての形・サイズにこだわる必要はなく、情報端末として一番使いやすいサイズを見つければ良いわけです。そんなことを考えさせられたイベントでした。
試用を開始してから日が浅く、「Z Ultraが自分の使い方に最適な端末だ」とはまだ言い切れませんが、ここまで非常に良い感触で使えています。幸いにもひと月の間試せるチャンスを得たので、じっくりと使ってみて、その答えを出してみたいと思っています。
Xperia Z Ultraサロン
http://www.sony.jp/tablet/Z_ultra_salon/
Xperia Z Ultra SOL24 | ソニーモバイルコミュニケーションズ
http://www.sonymobile.co.jp/xperia/au/sol24/
Xperia(TM) Z Ultra | Xperia(TM) Tablet | ソニー
http://www.sony.jp/tablet/products/Z_ultra/
いつも楽しく拝読しております。レンタルされた「Xperia Z Ultra」のディスプレイの色温度はいかがでしょうか?
出来れば、(店頭のホットモックと比較して)SHARP製とAUO製による違いをレポートしていただけると嬉しいです。
購入を真剣に考えているのですが、それだけに残像や色温度に違いがあれば、無視できない部分になりますので。
いつもありがとうございます。
知識が乏しく詳しいことは言えませんが、色温度は低めだと感じました。ただ、嫌な感じはしませんでした。ホワイトバランス調整で少しは調整もできますので。ちなみにレンタル品はAUO製のディスプレイとなってます。
SHARP製とAUO製の違いは下記のブログさんの記事が参考になると思います。(もう見られてるかもしれませんが。。。)
http://gadget-shot.com/gadget-review/17441
結構な色温度の差があるようですね。