イー・モバイルスマートフォン「GS03」のレビュー第3弾です。今回は機能や動作について総合的に評価をしてみたいと思います。
過去のレビュー
前回のレビュー記事でオリジナルUI「マジック3D」について書きましたが、それ以外はほとんどAndroid4.0標準UIが使われています。
電話帳や電話アプリ、WEBブラウザ、ミュージックプレイヤー、電卓、時計、ギャラリーなど、基本アプリはデザインも内容もほとんど素の状態。
しかしそんなシンプルな中でも、通知エリア内のトグル設定はちゃんと用意されています。
カメラもしっかりとカスタマイズされていて、HDR撮影や連写モード、パノラマ撮影、顔検出、赤目軽減などの多彩な機能を搭載しています。
また、撮影時に顔を面白い形に歪ませる機能や、各種フィルター機能も備わっていて、楽しめる内容となっています。
フルHDの動画撮影もサポートします。
プリインストールアプリ一覧です(chromeはアップデート後に追加される)。余計なアプリもそれなりにありますが、少ない方ではあると思います。
本体の設定項目もほとんどAndroid4.0標準そのままですが、画面の設定には「あざやか表示」なるものがあり、彩度を変更することができるようになっていました。本機ではAMOLEDディスプレイが採用されているので、鮮やかすぎると感じる場合にはこれをOFFにしておくと良いと思います。
また、ネットワークの設定では、EMOBILEお得意のPocket WiFiのON/OFFや設定が出来るようになっていました。いわゆるテザリング機能です。Pocket WiFiはホーム画面のウィジェットからも容易にON/OFFが切り替えられるようになっています。
システム情報です。Androidバージョンは4.0.3となっています。ちなみにCPUはTexas Instruments OMAP4460の1.5Ghzデュアルコア。RAMは1GBでROMは4GBです。ROMは最近のモデルの中では少なめですが、32GBまでのmicroSDカードに対応しています。
使用可能な領域は合計で2.36GB。そのうち空き容量が2.10GBとなっていました。RAMは再起動直後で254MBの空き、405MBの使用となっていました。余裕はある方なのではないでしょうか。
動作について
こんな感じでAndroid4.0標準のスタイルが多く使われている本機ですが、じっくりと触ってみるとTI製のチップセットを使っていたりAMOLEDディスプレイだったりと、Android4.0のリファレンスモデルであるGalaxy Nexusによく似た端末だなぁと感じました。
そこで、動作面でのパフォーマンスを測るために、Galaxy Nexus SC-04Dと基本操作における動作を比較してみました。8分40秒とちょっぴり長くなってしまったので、つまらないところは飛ばして観てみてください。
チップセットは同じTI OMAP4460ですが、CPUは最大周波数が1.5GHzのものへと変更されています。そのおかげか、ほぼ全てのシーンでGS03の方が表示速度が明らかに速いという結果になりました。私は普段Galaxy S III SC-06Dを使用していますが、正直違いが分からないくらい動作は軽快です。また、安定性もあり、試用期間内ではアプリがクラッシュしてしまうということもありませんでした。タッチ感度、追従性も良いです。
参考までにベンチマークを走らせてみました。Quadrantでは4204、AnTuTu Benchmarkでは6056というスコアがでました。AnTuTuのスコアはSC-04Dと同程度ですが、Quadrantのスコアは倍化しています。
ディスプレイについて
Super AMOLED(有機EL)ディスプレイを採用しているので画面は大変鮮やかです。色彩の濃い画像を表示させればコントラストが高く、思わず息をのむ美しさです。しかしPentile配列であるため、テキストやアイコンの縁に滲みが確認できます。この辺りは鮮やかさをとるか精細感をとるか、好みが分かれるところです。
気になる点として、画面の明るさの自動調整機能がイマイチでした。一定以下の明るさになると、途端に画面全体が黄ばんで表示され、見難くなります。寝室で電気を消したまま使っていると、この状態と通常の状態が交互に切り替わったりして、とても長時間の使用に耐えることができませんでした。この点は是非改善してもらいたいところです。
総評
欠点もありますが、総合的にみて大変使いやすい機種だと感じました。とにかくシンプルなのが良いです。シンプルゆえに動作も軽快で、基本的な操作においてストレスを感じることが全くありませんでした。「携帯電話」や「モバイルルーター」として考えた時に、この安定性は本当に大事です。その上で、ロック画面のショートカット機能や通知エリア内でのトグル設定といった最小限の便利機能、それにホーム画面の3D表示やカメラのおもしろ機能など、ほんの少しの遊び心が加わり、”楽しめる”端末にもなっています。もちろんメイン機としても十分使えるわけですが、薄くて軽いシンプルな機種なので、テザリング用のサブ機として持ち歩くにも適しているのではないでしょうか。
過去のレビュー
協力:AppComing様