明日7月20日に発売されるドコモスマートフォン「ARROWS X F-10D」に少しだけ触れましたので感想を述べます。ドコモショップで少しだけ触った程度であるということと、試用したのは発売前の端末であることを予めご承知おきください。
4.6インチディスプレイ搭載の大型モデルなので、ほかのハイスペック機と同様にかなりの大きさを感じます。また、厚さと重量はドコモの今期モデルの中で最大となる11.8mm/155gなので、なおさらボリュームを感じます。
持ってみるとさすがに少しズシッとした感じはしますが、しかし背面が大きくラウンドしているのでフィット感はあり、片手での操作はGalaxy S IIIよりも遥かにしやすい感じました。
正直デザインは好みではありません。メッキ部分が多すぎて安っぽく感じ、また形状もボテッとした印象で先進性をあまり感じません。
しかしカラーバリエーションは豊富で、この点は白や黒しかない他の機種よりも有利だと思いました。青など新鮮で良いですね。
外観に関しては以上です。
操作キーは物理式で、左から「メニュー」「ホーム」「戻る」となっています。ボタンは少し”重め”です。かつ本体が大きいので、片手操作時にはバランスが崩れがちになります。私は普段「物理キーは押した感覚がしっかりとあって良い」などと言っていますが、筐体がこのくらいのサイズになってくると逆にタッチ式やオンスクリーンタイプの操作キーの方が操作はしやすいのかな、などと思ってしまいました。慣れや好みによるところが大きいので、購入前にはよく試してみることをおすすめします。
ディスプレイは表示が精細でとても綺麗だと感じました。他の液晶搭載端末と同等の画質だと思います。また、本機種ではディスプレイサイズが4.6インチと大型であることに加え、AQUOS PHONE ZETAやXperia GXのようにオンスクリーンキーに表示の一部を占領されないため、画面の大きさをフルに活かせていて良いと感じました。
タッチ性能は「並」であると感じました。指への追従性は決して悪くないのですが、操作のし始め、つまり指をパネル上でスライドした直後の反応がやや遅いと感じました。しかし実用上は全く問題ないレベルです。
全体的な動作速度は速いと感じました。ブラウザや地図、カメラやゲームなどのアプリ起動や、ホームへの遷移、メニューの立ち上げ、スクロールなど、基本的な操作でストレスを感じることはありませんでした。
一応ベンチマークも走らせてみました。が、どうやらQuadrantでは本機種の性能をフルに計測できない”らしい”ので、今回のスコアは参考になりません。逆に、今回は計測しませんでしたが、AnTuTu Benchmarckでは他機種を圧倒するスコアが出るようです。まあベンチマークなどひとつの指標に過ぎません。
マルチタッチの最大同時認識数は10点でした。
端末情報は上の画像のとおりです。他の夏モデル機種では大抵Android4.0.4を搭載しますが、F-10Dではひとつ古いAndroid4.0.3が初期搭載されるようです。発売後にアップデートされるのでしょうか。動作が微妙にスムーズになるらしいので、発売直後のアップデートに期待です。
内蔵ストレージは16GBで、展示の個体では使用できる合計容量が11.48GB、空き容量が10.94GBとなっていました。これだけあれば通常用途では不足はないはずです。また最大32GBまでのmicroSDHCもサポートします。(しかしSDXCには非対応)
動作に関しては以上です。
次は機能面ですが、非常に多機能で、設定項目も多いです。これだけ細かなことがいろいろとできれば、買ってしばらくは飽きが来ないんじゃないでしょうか。
一番の特徴はやはり「スマート指紋センサー」でしょう。背面にある指紋センサーを指でなぞると画面ロックが解除されるというものです。最大10個まで指紋を登録できるそうです。展示機にはセンサーの付近にセキュリティーのための装置が取り付けられていて、実際に試してみることができなかったのが残念です。。。
標準で「パスワードマネージャー」や「プライバシーモード」も搭載します。
歩数計や温湿度センサーを搭載しているのもいいですね。センサーが物理的に内蔵されていないと使えない機能なので貴重です。温湿度チェッカーは熱中症予防や冬場の乾燥を確認するのに役立ちそう。
細かいところでは、電池のアイコンをパーセント表示に変更できたり、自分自身のオリジナル手書きフォントを設定できたりと、細かい機能も盛りだくさん。
「NX!エコ」という省電力機能も搭載されています。タイマーや電磁残量によるモードの自動切り替えが可能。
ホーム画面で直接手書き入力での検索もできます。
通知エリアのトグル設定は、項目を最小限に抑えつつもテザリングやFMトランスミッターの項目もきちんと用意されていて、要点がきちんと押さえられています。
カメラも多機能です。連写、連写からのベストショット選択、HDR、ぼかしなどの効果、追跡フォーカスなどが用意されています。
インターフェースは基本的に悪くはないのですが、Android4.0標準で用意されている設定とオリジナルの設定がそれぞれ別々の入り口だったりして、一部妥協点が見られるのが残念でした。
画質については割愛しますが、素人ながら悪くはないと感じました。
機能については以上です。
最後に発熱に関してですが、非充電状態では、WEBサイト閲覧や設定変更など負荷の低い操作ではそれほど大きくないと感じました。しかしゲームなど負荷の高い処理を行わせると、途端に背面の指紋センサー部分とディスプレイの中央付近が非常に熱くなってきます。測ったわけではありませんが、体感では一番熱い箇所で50度を軽く超えるくらいの温度になっていると思われます。ちょっと心配ですね。
まとめ
やはり店頭でのタッチ&トライだけでは評価できる部分は限られてしまい、本機の最大の特徴であるTegra3クアッドコアCPUに関する検証は何一つ出来ませんでした。しかし基本的な操作においては動作は高速で、ストレスを感じるシーンは殆どありませんでした。
私としては動作の快適性よりもむしろ多機能さに魅力を感じます。同じ全部入りのAQUOS PHONE ZETAでもここまで充実した機能は揃っていません。とにかくアレもこれもひと通り使ってみたいという人にはぴったりな機種なのではないでしょうか。
懸念されるのは発熱です。ARROWSシリーズはこれまで安定性の低さや不具合の多さが指摘されてきたのは事実です。今作ではこの点がきちんと改善されているかどうか・・・。発売後のひとつの注目点となりそうです。