購入してからまだほんの少ししか触れていないGalaxy S III SC-06Dですが、現段階での使用レビューをお届けしたいと思います。
持ちやすさ
縦137mm、横71mmは、5インチのOptimus Vuを除いて今期最も大きいサイズとなります。これだけ大きいと、片手ですべての操作を行おうとすると結構大変です。操作キーがかなり下の方にあるので、画面の上と下を行ったり期待するようなシーンでは、一旦握り直すか、または両手での操作が必要となります。
手に持っている時の安定感はやや低いです。本体サイズが大きく、かつ非常に薄いので、手との接触面積が少なくなりがちです。
薄いことはもちろん良いことでもあります。お尻のポケットにスルッと入って違和感もありません。(忘れてそのまま座っちゃうとヤバイですが・・・)
動作/タッチレスポンスについて
概ね動作は高速で、ストレスをほとんど感じません。アプリのアイコンをタッチすれば直ぐに起動しますし、ホームボタンを押しても直ぐにホームに戻れます。また画面遷移時には滑らかなアニメーションがかかり、とても気持ちのよい動作をします。
カメラの起動も早く、撮って確認してツイートしたりEvernoteで共有したりという一連の流れが本当に思いのままにできます。
タッチ操作時の指への追従性も格段に向上しています。ブラウザやマップ、ギャラリーなどでの拡大・縮小操作、スクロールなど、意思をそのまま表現することができます。さすがにiPhoneと同等、とまでは言いませんが、Android機の中では現時点でそれに最も近い機種と言っていいのではないでしょうか。
ディスプレイ
前作Galaxy S II SC-02Cでは妙に青味が強く、暗く映ってしまっていたディスプレイは、Galaxy S III SC-06Dでは見事に改善されています。妙な暗さはなく、しかもAMOLEDディスプレイなので映像が鮮やかに見えます。それでいて4.8インチの大画面なので、迫力が凄いです。
同等スペックを持つ液晶と比較すると、やはり少々粗く、そして少々暗めに見えます。また、有機ELの特徴である「鮮やかさ」は、見方によっては「くどさ」に変わってしまうこともあり、より自然な発色を求める場合には液晶端末のほうが有利だと思います。鮮やかさをとるか、精細感をとるか。ここは好みで判断すべきでしょう。
心配されたPentile配列ですが、解像度の高さである程度カバーできています。前作Galaxy S IIでは非Pentile配列の「Super AMOLED Plus」が使われていますが、解像度が低いために精細感では圧倒的にGalaxy S IIIの方が高いです。
ホームアプリ「TouchWiz」とロック画面について
ホーム画面のページ遷移はとても滑らかです。ただし、ウィジェットを複数置くなどすると動作がもたつくことがあります。
ホーム画面長押しからウィジェットの表示ができないのは残念です。アプリやフォルダの作成はできるのに、ウィジェットだけが作成できません。なお、ウィジェットはドロワー(アプリ一覧画面)から作成できます。
また、フォルダの作成が面倒で、ホーム画面の長押し、またはメニューキーを押して、メニューを呼び出す必要があります。最近ではアプリのアイコンを重ねることでフォルダ作成ができるのがスタンダードとなってきているので、ここはマイナス点と言えます。しかもフォルダのデザインがダサい・・・。
ドロワー(アプリ一覧画面)では、ページ遷移時に動作がカクつくことが意外と多くあります。特にドロワーを開いた直後が酷いです。ウィジェット一覧でも同じです。Android4.1ではこの辺りのパフォーマンスが大幅に向上されるそうなので、OSバージョンアップによる改善に期待したいところです。
ピンチ・イン操作で表示できるヘリコプタービュー(縮図)が便利です。Android4.0標準UIでは実装されていない機能なので、この辺りの使い勝手はさすがにTouchWizが優っています。アイコンの並び替えや表示タイプ変更、アイコンの非表示を行う機能等もあります。
ロック画面は前作Galaxy S IIからもAndroid4.0標準からもだいぶ進化しています。まず任意のアプリのショートカットを4つ配置できるのが便利です。電話、音楽、カメラ、ブラウザなど頻度の高いアプリを登録しておくと良いですね。また、天気情報やニューステロップを表示させることもできるようになっています。それと、これはAndroid4.0標準でも可能ですが、ロック画面から直接通知バーを表示することができます。通知されたものをワンクッション挟まずに確認できるのは良いです。
通知バー
Android4.0標準と同じで通知バーから本体設定へジャンプできるのは便利です。いちいちホームに戻ってメニューボタンを押す必要がありません。
トグル設定の項目が増えたもの良いです。しかし贅沢を言えば、画面の明るさとテザリングの設定項目も欲しかったです。(というか設定項目をカスタマイズ出来るようにして欲しかった。)
標準ブラウザ
動作は大変軽快で、スクロール時の引っ掛かりはほとんどないです。拡大・縮小の動きもスムーズで、しかも狙ったところをきちんと拡大してくれます。大変気持ちよくWEBブラウジングができます。
ブックマークを表示するボタンがアドレスバーの横にあるのは便利です。Android4.0標準ではこのボタンがありません。ブックマークはGoogleアカウントと同期出来ます。ただしChromeのように、開いているタブまでは同期出来ません。アドレスバーにRSSフィードの登録ボタンがあるのも便利ですね。
ブラウザでだけ適用される画面の明るさ設定も便利です。他の画面とは切り離して明るさ調整ができるので、サイトの背景色やコントラストによってその都度微調整することができます。
ポップアッププレイ/スマートステイ
動画を再生したまま他の作業ができるという「ポップアッププレイ」機能ですが、個人的には「いつ使うの?」という程度のものでした。Youtubeの動画がポップアッププレイで見られれば使用頻度は少しは上がるのかな・・・?
期待していたスマートステイですが、こちらは期待通りの動きをしてくれました。画面を見つめている間はスクリーンがOFFになりません。距離は顔から50cm程度離しても大丈夫でした。確度は30度くらいが限度でしょうか。45度くらいになると厳しいようです。いちいち画面をタッチしてバックライトを維持するのはとても面倒だったので、これは良い機能だと思いました。実用性十分です。
カメラ
起動は早いです。オートフォーカスもそこそこ早いです。ただ、シャッターボタンを押す前にファーカスするので、それを理解していないで撮っているとピントのぼけた写真が量産されます。被写体にレンズを向け、中央のマークが緑色に変化したらシャッターボタンを押すと、ピントのあった写真が撮れます。
画質はまた改めて検証してみたいと思いますが、裏面照射型CMOSを採用しているので、部屋の中での写真は比較的明るく取れていました。
電池持ち/発熱
きちんと計測したわけではありませんが、悪くないと思います。出勤・帰宅時、休憩時とフルに使って、寝るまでは何とか持ちそうな感じです。発熱もうまく抑えられていると思います。長時間連続して使用していると端末下部、ディスプレイ側が熱くなってきますが、触っていられないほどではありません。バッテリー温度は平均して35度程度。最高で45度近くまで上昇しました。
その他
- SC-02Cと比較して、Wi-Fiの掴みが良くなった。
- 標準のEメールアプリが使いやすい。
- ホームボタンが物理式なのは安心感があって良い。
- 標準の音楽プレイヤーアプリは使いにくい。
- カメラで連射撮影時、バグで撮影音が止まらなくなったことがあった(撮影はされていなかった)。
総評
動作速度に関しては確かに優秀ではあるのですが、他社のフラグシップ機と比べその差は僅差だと思います。突出しているのはタッチレスポンスと安定性でしょう。タッチでの操作が大部分であるスマートフォンでは、タッチ時の応答性の高さ、指への追従性はそのまま使い勝手につながります。iPhoneに近いところまで来ているのは確かです。また安定性については、常に同じ挙動をするというのは”モバイル端末”として見たときにはとても大事です。とっさに電話に出る、写真を撮る、アプリで情報を取得する。こういったことが本当にスムーズにできるので、余計なストレスを生みません。
端末サイズは大きく、やや持ちにくいという欠点もありますが、WEBサイト閲覧や動画再生など、より”スマートフォン的な使い方”を目一杯楽しみたいのなら、これほど適した機種は他にないと思います。