スマートフォンのOS
スマートフォンは、搭載している「OS」によって種類分けされます。OSというのはコンピュータ全体を管理するためのソフトのことで、パソコンで言うWindowsやMacと同じ種類のものと言えばわかりやすいでしょうか。OSが違うと、操作の仕方や使える機能なども少し違ってきます。
スマートフォンやタブレット向けのOSを「モバイルOS」と言い、モバイルOSには「Android」のほかに「iOS」や「Windows Phone」、「BlackBerry」、「Tizen」などがありますが、2016年現在のモバイルOSの世界シェアはAndroidが約60%、iOSが約30%と、この2つのOSだけでほとんどのシェアを占めています。
モバイルOSのシェアは国や用途によって異なり、例えば日本ではiOSのシェアのほうが若干高いのですが、それでも私たちがスマートフォンを選ぶときに選択を迫られるのは、ほとんどの場合「AndroidかiOS(iPhone)のどちらか」ということになります。
Androidとは
Androidというのは、検索サイトで有名な「Google」が開発しているモバイルOSです。Androidを搭載したスマートフォンのことを「Androidスマートフォン」や「Android搭載スマートフォン」などと呼びます。Googleが提供するウェブ検索やマップ、Gmail、YouTubeといったサービスとの親和性が高いのが特徴で、これらのサービスのほとんどすべての機能をスマートフォンでも快適に使うことができます。
Androidにはもうひとつ、「とても柔軟である」という大きな特徴があります。端末メーカーは低コストでAndroid OSを自社の製品に組み込んで販売できるので、製品のバリエーションが非常に多く、サイズが大きいものや小さいもの、見た目が凝ったもの、ハイスペックなものや低価格なものなど様々で、私たちはたくさんの候補の中から自分好みのスマートフォンを選ぶことができます。
Androidは機能のローカライズ(地域化)も得意です。AndroidスマートフォンにはあってiPhoneに無いものと言えば「おサイフケータイ」が代表的ですが、こういった日本でしか使われないような機能に素早く対応できるのも、柔軟なAndroidならではの魅力です。
Android以外のモバイルOS
iOS
「iOS」はMacパソコンやiPodなどを作っているAppleが、iPhoneやiPad、iPodなどの自社製の端末向けに専用に開発したOSです。国内ではAndroidに並び高いシェアを誇ります。
ハード、ソフト、サービスの全てがApple 1社によって管理されているのでそれぞれの機能の連携がスムーズで、スマートフォンとしての全体的な完成度が高いのが魅力ですが、Apple以外のメーカーがiOSを組み込んだ端末を作ることは出来ないので、Androidスマートフォンのようにバリエーションに広がりはありません。ただ、バリエーションが少ないということは逆に言えば使い勝手にバラつきが生じにくいということでもあり、たとえば最新機種に機種変更をしたときでも違和感なく使い続けられるという良さがあります。
Windows phone(Windows 10 Mobile)
「Windows Phone」はMicrosoftが開発するモバイルOSです。現行の最新バージョンは「Windows 10 Mobile」。パソコン版のWindows 10と土台が完全に統一されているので、慣れ親しんだWindowsパソコンと同じ使い勝手でスマートフォンを使うことができます。またOfficeやOne DriveといったMicrosoftのサービスとの親和性が高く、セキュリティーも強固なため、仕事で使っているデータや設定をパソコンとスマートフォンの間で同期させながら、共通の環境で作業を進めることが得意という特徴を持っています。このような理由から現在は主にビジネス向けのスマートフォンという認知がされているのですが、実際のところはAndroidやiOSと比べてアプリの数が少なく、これによってシェアを獲得できていない状況です。国内では今のところWindows 10 Mobileを搭載した個人向けのスマートフォンは、携帯電話会社から販売されていません。