昨日9月9日に東京・有楽町にあるドコモスマートフォンラウンジにて、9月8日に発表されたサムスン製タブレット「Galaxy Tab 10.1 LTE(SC-01D)」に触れてきましたのでその感想を書きます。
外観については、薄さが印象的でした。厚さは8.6mmしかなく、Galaxy S II(SC-02C)よりも薄いです。これまでのAndroidタブレットは12mm~15mmくらいはありましたから、この薄さには衝撃を受けました。また、重さも565gしかなくて大変軽いです。やはりこれまでの10インチ級のタブレットは重量が約700gはありましたから、それらに比べるとかなり軽く感じます。恐らく常用してみると、端末の薄さと相まってかなり軽くなったように感じるのではないでしょうか。
背面はすっきりとしています。上部にはメタル調の装飾が施されていて、その中央にはカメラとLEDフラッシュが備わっています。ベースの白い部分の素材はプラスティックだと思います。へこんだりするようなことはなく、案外しっかりとした作りでした。高級感も別段感じませんが、安っぽさも感じません。
両方とも上面を写した写真です。上面には電源ボタン、ボリュームボタン、オーディオジャック、SIMカードスロットがありました。SIMカードスロットにはテープが貼られていて開けることが出来ませんでした。電源ボタン、ボリュームボタンは至って普通でした。
こちらは底面です。底面には充電用の端子があります。右の写真のように専用端子を挿入します。
左右側面にはそれぞれスピーカーがあります。
端子類はオーディオジャックとSIMカードスロットと充電端子しかありません。SDカードスロットやUSB端子、HDMI端子などは備わっていません。スタッフの方にお話を聞いてみたところ、恐らくSDカード等は充電端子へ機器を接続して使うことになるのではないかと仰っていました。内蔵メモリーが16GBあるので十分だとは思いますが、音楽や動画をたくさん入れておきたい人にはちょっと残念な仕様です。
ディスプレイは有機ELではないのでGalaxy SやS2のような鮮やかさを期待していると拍子抜けしてしまいます。いずれにせよ画面表示に関しては大した感動はありませんでした。
UIは一見するとHoneycomb標準からさほど手が加えられていないように見えますが、細かく見ていくとギャラクシーシリーズらしさが見えてきます。
まずは通知エリアでのクイックセッティングです。Honeycomb標準では設定項目が縦に並びますが、Galaxy Tab10.1では視認性の高い大きなアイコンを使って横並びに表示してあります。目的の項目を見つけやすくする工夫だと思われます。
画面の最下部にあるバーの中央部分には上向きの矢印のアイコンがあり、それをタップするとクイックランチャーが表示されます。バーは基本的に常に表示されていますから、ブラウザを開いている時や他のアプリを使用している時にも自由にランチャーを呼び出して他のタスクに切り替えることができます。これは便利ですね。
画面左下の操作ボタンにも工夫が施されています。一番右に置かれた見慣れないアイコンは、スクリーンショットボタンです。タップすることでスクリーンショットを撮ることが出来ます。
ホームボタンを長押しすると、ギャラクシーシリーズおなじみのタスクマネージャーが起動します。ここで起動中のタスクを終了させたり、メモリーを解放させたりすることができます。Honeycomb標準には無い機能ですから、これは便利です。
ドロワーは標準のままだと思います。インストールされていたアプリ一覧を念のため記録しました。まだ追加されるアプリがあると思います。
省電力モードが搭載されていました。文字入力にはSwypeがありましたが、日本語の入力はできませんでした。Android標準キーボードのほか、Samsung日本語キーボードが用意されていました。
Galaxy S IIでも使えるモーション機能が搭載されていました。チルトやパンニングといった操作が可能です。画面表示モードの選択も可能でした。
マルチタッチの同時認識数は10点でした。
Antutu Benchmarkでのトータルスコアは4968でした。コンディションにもよりますがXOOMやOptimus Padが4600弱、Eee Pad Transformerが4600強、ICONIA Tabが4300程度ですから、これは比較的高いスコアです。CPU周波数が高いことや、最新のAndroid3.2が搭載されていることも影響しているのかもしれません。
Androidバージョンは3.2、カーネルバージョンは2.6.35.11-perf se.infra@SEI-14 #2、ビルド番号はHONEYCOMB.SC01DOMKH4となっていました。
動作については、ホーム画面でのページ遷移時、設定画面でのページスクロール時、ブラウザでのダブルタップでの拡大縮小時、同じくブラウザでのピンチ操作での拡大縮小時において、ストレスを感じるほどの”カクツキ”が頻発していました。まだ試作機なので発売までには改善されるとは思います。
総評
薄くて軽くて大画面というのは、タブレットにとっては大変魅力的なポイントだと思います。デザインや質感も悪くありません。
本機のもう一つの大きな特徴である「高性能(動作の軽快さ)」については、残念ながら今回は体感することが出来ませんでした。このままだと残念すぎるので、発売までに改良を期待します。
使い勝手の面では、通知エリアでのクイックセッティング、クイックランチャー、タスクマネージャー、スクリーンショットなど、ギャラクシーシリーズで培われてきたものが引き継がれていて好感を持ちました。逆にSDカードスロットやUSB端子が本体に直接備わっていないところが、用途を狭めてしまう原因になってしまわないかと懸念する部分です。
「高性能×薄型・軽量」という部分を意識するあまり、”タブレットで何をしてもらいたいか”という部分が少し希薄になってしまったのかなという印象を抱きました。